ヒーロー ページ28
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週末、この前した約束の通り
玲於くんのお友達と会うことになった
ドキドキするなあ
楽しみすぎてこの前買った新しい服もおろして
待ち合わせ場所に30分も早く着いてしまった
「ねえ、道に迷っちゃったんだけどよかったら道教えてくれない?携帯の充電も無くてさ」
若い派手な服着た男の人に声をかけられた
まだ待ち合わせの時間まで余裕あるし
困ってるみたいだから道案内することになった
「お姉さん名前なんていうの?」
「えっと、Aです」
「Aちゃんか可愛い名前だね」
いっぱい質問されるしちょっと距離が近くて
さっきから男の人の手がたまに私の体に触れる
同じ男の人なのに玲於くんや涼太くんと違って怖い
それに気付くとどんどん周りに人が居ない場所に来てた
「一応、マップではここだと思います。私は友達と待ち合わせしてるんで行きますね」
「実はここ俺の家なんだ。ちょっとだけ上がって行ってよ。」
「…いたっ」
すごい力で手首を掴まれて振りほどけない
それに怖くて声も上手く出ない
助けて欲しくても周りに誰も居ない
「…れ、おくん」
勝手に口から玲於くんの名前が出た
「A!」
名前を呼ばれて振り返ると本物の玲於くんが居た
私の方に駆け寄ってきてくれて
その瞬間、男の人は走って逃げて行った
「あいつ、」
逃げて行った男の人捕まえようと
走って行こうとした玲於くんの服の裾を掴んだ
「…ここに居てほしい」
「そうだな、ごめん」
どうしても今は1人で居たくなくて
玲於くんを引き止めちゃった
「大丈夫?なんもされてない?」
「うん、大丈夫。ほんとにありがとう玲於くん」
「今日はとりあえず家まで送るわ」
「でも、玲於くんのお友達待ってるんじゃ…」
「今はそんなこと気にしなくていーから。」
「ごめんなさい」
「お前はなんも悪くないから謝んな」
玲於くんの口調はいつもより優しい
わざわざタクシーまで呼んでくれて家まで送ってくれた
お金もいいって言ったのに玲於くんが出してくれて
生活も大変なはずなのにほんと申し訳ない
…でもさっきの玲於くんヒーローみたいだったな
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こじゃる(プロフ) - お話大好きです。更新頑張ってください。 (2020年4月19日 21時) (レス) id: 2442b06a12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:culumi | 作成日時:2020年4月17日 23時