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初めての感覚 ページ3

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お母さんの命日は
毎年お父さんと2人でお墓参りして
そのあと2人でご飯に行くのがお決まりだった
お父さん昔と比べて変わっちゃったけど
この日だけはいつもより雰囲気が柔らかく感じて
少し嬉しかった。



「…お父さん、どこ行くの?」



リビングに行くと、お父さんはスーツを着てた
私が聞いても一度も目も合わせてくれなかった



「…どうしても行かないといけない仕事が入った」

「その仕事ってお母さんより大事なの?」

「…すまない」



結局そのままお父さんは家を出て行った
…お父さんなんて大嫌い
あの人は結局お母さんよりも仕事が大事なんだ



「お嬢さま、旦那さまも心苦しいと思いますよ」

「…もういいよ。もう私の好きなお父さんはどこにも居ない」

「…お嬢さま」

「三田さんには分からないよ。ついてこないで!」



三田さんは悪くないのに怒鳴っちゃった
そのまま勢いよく家を飛び出した
いつも行くお花屋さんでお花を買って
バスに乗ってお母さんのお墓がある場所に向かった
お母さんのお墓は山の上にあって
周りには沢山お花が咲いてる大好きな場所
いつもはお父さんの車で来てたから
気付かなかったけどすごい急な坂道
苦労してやっと辿り着いた



「ごめんねお父さんとふたりで来れなくて」



高校を卒業したこと
涼太くんと同じ学校に行くことになったこと
ピアノのコンクールで金賞を取ったこと
お母さんに色んなことを報告した



少ししてから足音が聞こえて
振り返ると金髪の男の子が歩いてきた
不良かな?ちょっと怖いかも。そう思ってたら
お花を持って隣のお墓の前に座った
話すわけでもなくただ目を瞑って手を合わせてた
肌が透き通るみたいに白くて見とれてたら
男の子の目から一粒の涙がこぼれ落ちて
不謹慎だけど不覚にも綺麗だと思っちゃった




男の人を見て初めて綺麗だと思った
なんかよく分からないけど
胸が締め付けられるような初めての感覚





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バス停→←婚約者



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設定タグ:佐野玲於 , 片寄涼太 , GENERATIONS   
作品ジャンル:タレント
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こじゃる(プロフ) - お話大好きです。更新頑張ってください。 (2020年4月19日 21時) (レス) id: 2442b06a12 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:culumi | 作成日時:2020年4月17日 23時

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