8 ページ9
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
その日の作業が終わった夕方。突然雨が降り出した。
傘を持ってきてなかったので雨が止むまで待とうかと思ったが、このまま待っても止みそうにないので走って帰ることにした。
勢いよく昇降口から飛び出し、もうすぐで門を抜けようとしたその時、誰かに腕を掴まれて校舎の中に引き戻されてしまった。
「そんなんで帰ったら風邪引いてまうやろ！」
「…はまちゃん」
どうして彼がここにいるのだろう。
彼の格好から見るに部活の最中だと窺える。
「風邪引きたいんかお前は」
そう言って肩に掛かっていたタオルを俺の頭に被せた。
「なんではまちゃんがここにいるんですか…」
「ジュース買いに行こう思ってここ通ったら望が雨の中走ってくとこ見かけたからや」
心配してくれたんかな…
はまちゃんが怒ってるとこ初めて見た気がする。
「俺傘持ってるから。返すのいつになってもいいで」
そう言って傘立てから自分の傘を持ってきて俺に渡した。
この行動に特別な意味なんて無いって分かってる。
だから優しくせんといて。
「望…」
お願いだから俺を見ないで。こんな惨めな姿見せたくなかったのに。
何か言わなきゃと思うのに胸がつかえて言葉が出ない。
苦しい。涙が出そうになる。
この想いごと全部雨に流されてしまえばいいのに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 75人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くりーむぱん(プロフ) - コメントありがとうございます。そう言って頂けてとても嬉しいです！更新頑張れます！これからの展開も楽しみにしていて下さい！ (12月17日 22時) (
レス) id: 08c03e6a05 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - いつも更新楽しみにしています。青くんいい男過ぎませんか〜😭常に桃ちゃんファースト…クリスマスデートが良すぎてハートが押し足りません😭💕 (12月16日 23時) (レス) @page27 id: dbffc8a4e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くりーむぱん | 作成日時：2023年11月19日 16時
