ゲゲゲの鬼太郎〜呪われた少女〜弐

７ー５ ページ8

上司＞くに、しげ・・・？な、なんだよ生きてたのか。ったく、お前つまんねぇ嘘付きやがって。見ろよ、国重が・・・ん！？

一度隣の部下を見るが、また顔を前に向けると誰もいなかった

上司＞そんな・・・。

彼がいた席に触れる

上司＞ぬ、濡れてる！？

ふと気配を感じて振り返ると、首に細い紐のような痣がある男がいた

上司＞塩、田・・・？杉本？柴崎・・・！

死んだはずの部下達が、目の前にいた

薄暗かったはずの車内が明るくなり、消えた彼らと入れ替わるように先程の風景が戻る

部下＞どうしたんです？幽霊でも見たような顔になっちゃってますよ？

上司＞そ、そんな事はねぇ。だ、だいたい、幽霊なんかいねぇしな。

部下＞そうですよねぇ。

上司〈そうさ、幽霊なんかいない・・・俺は、取り憑かれるようなことはなんにも・・・〉

「お前みたいのを、指示待ち人間って言うんだよ！頭使えよ！」

「お前の前の会社での評判は聞いてるぞ！使えないから辞めさせられたんだろうが！ここ以外、行くところはないぞ！」

「自分がしたことは必ず返ってくるぞ！もし辞めるんなら、今までお前の教育に使った費用を、弁償しろ！いいか、これはお前への愛の鞭だ！俺はお前が好きだから、言ってるんだよ！」

「・・・わかり、ました！」

上司＞！？

部下＞どうしました？

上司＞い、いや・・・。

言葉という名の暴力

肉体的暴力

最後に思い起こすのは、目の前の部下とのやり取り

上司〈大丈夫だ。俺は間違ってない。仕事って言うのはそういうもんだ〉

次からは、口から言葉が出ていた

上司＞そうだ。だからそう、あれだって・・・俺のせいじゃない。

そこで思い出したのは、飛び降り自 殺をしたひとりの男のこと

上司＞あ、あれは・・・あそこで飛び降りて、死んでたのは・・・。

部下＞あぁ、やっと・・・思い出してくれましたか・・・。

目の前の部下が、一瞬で様変わりした

頭からは血を流し、眼鏡が歪んでレンズは割れる

あちこちの間接が曲がっている腕を、上司に向かって伸ばす

後退した上司だったが、後ろにいた他の部下達ーー死者にぶつかった

肉をまとっていた体は、骨だけとなる

上司＞ひっ！？

前の車両へと逃げる

上司＞開けてくれ！開けろ！開けてくれ！

鬼太郎＞どうしましたぁ？

上司＞ば、バケモンが！

鬼太郎＞化け物ですか？化け物って言うのは、こういう者達のことですか？

そう言った彼の後ろには、たくさんの妖怪がいた

上司＞うわぁ！？

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