ゲゲゲの鬼太郎〜呪われた少女〜弐

１２ー５ ページ42

ねこ娘＞鬼太郎！

まな＞かごめ！

ねこ娘＞しっかりして！

子泣き＞目を開けるんじゃ！

鬼太郎＞うっ・・・みんな、無事か？

ねこ娘＞うん、鬼太郎とかごめのおかげ。

鬼太郎＞かごめは？

かごめ＞大丈夫だけど・・・途中で割り込む？普通。うちは結界術専門の巫女。舐めるな。

鬼太郎＞でも、無事でよかった。

かごめ＞・・・・・お礼は、言っとく。ありがとう。・・・でも、まだ終わりじゃない。

そう言って顔を上げたかごめに釣られて見上げれば、妖怪獣がそこにいた

かごめ〈どうすればいい？どうすれば・・・〉

鬼太郎＞みんな、逃げてくれ。ここは僕が。

ねこ娘＞でも・・・。

鬼太郎＞ここで・・・あいつを、止めなければ。父さんも逃げて下さい。

目玉＞鬼太郎！

かごめ＞逃げるつもりはないわ。

鬼太郎＞何？こんな時まで変な意地を張るのか、君は！？

かごめ＞変な意地って何よ、失礼ね。じゃなくてこれ。

そう言って差し出してきたのは、右手だった

かごめ＞さっき要石を壊した時、掌に一部が残ったの。要石の力だと思う。きっと、私の中にまだ残ってる・・・これ、使わない手はないと思う。

鬼太郎＞でも、そんな危険な事に巻き込めない！

かごめ＞あんた馬鹿！？変な意地を張ってんのはどっちよ！止めなければならない奴がいる。でも並みの攻撃じゃ止められない。だったら使えるもんは使えばいいのよ！

鬼太郎＞っ！

久し振りに聞いた、彼女の感情がこもった言葉

かごめ＞私は本来、この街を守る巫女。危険？それが何？覚悟ならとっくにできてる！それに、私が簡単に死なない事は、あなたが一番よく知ってるじゃない！

鬼太郎＞・・・いいんだな？危険なんだぞ。

かごめ＞わかってる。だから約束して。この一撃で全て終わらせなさい！じゃないと許さないから！

彼女の約束に鬼太郎は無言で、だが笑みを浮かべて頷いた

彼の背中に、かごめの右手が触れる

要石の力が流れ込んでくる

そして僅かに、巫女の力である霊力も感じられる

鬼太郎＞指鉄砲！！

３つの力が１つとなり、ようやく妖怪獣を倒す事ができた

かごめ＞ハァ・・・やっと、終わった。

まな＞やった・・・やったぁ！！

その時、どこかで不気味な紫の瞳が動いた

全身黒装束、黒マントに白い仮面の人物の瞳だ

妖怪獣の消滅で生まれた爆風に乗せられ、集められた人間の負の感情が流れる

そしてそれは、かごめの右手に集められ木の文字を刻む

だがそれは、すぐに消えた

ねこ娘＞かごめ！？

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