ゲゲゲの鬼太郎〜呪われた少女〜

６ー３ ページ49

目玉＞お前はただの猫じゃない。人の気力を吸い取る妖怪、“すねこすり”なんじゃ。

すねこすり＞な、何！？

鬼太郎＞思い当たる事はないのか？人と触れ合うことで元気になったり、お前といつも一緒にいた人間が死んだりしたことは？

思い返すのは昔のことだった

通りで多くの人の側を通った

そして、元気になっていた自分

また、去年の冬には内村という男性が亡くなった

例のミイラのようになった、変死体のことだ

あれも、すねこすりが気力を吸い取ってしまっていたのが原因だった

すねこすり＞まさか・・・それじゃあ、母ちゃんが弱っていくのは・・・オレのせいじゃない！そんなの信じない！

鬼太郎＞待て！すねこすり！

猫の大きさに戻り、この場から駆け出したすねこすり

鬼太郎＞お前、知ってて放っておいたのか！？

かごめ＞すねこすりのこと自体は、ね・・・内村さんっていう人の死を聞くまでは、こんな事態になってるとは知らなかったわ。だから確かめたかった。すねこすりが妖怪としての自覚を持ち、故意に人間から気力を吸い取り始めたのかを。もしそうなら始末しなければと思ってたけど・・・そうでもなさそうね。

鬼太郎〈今、ホッとしたのか？冷酷なのか思い遣りがあるのか・・・どっちなんだ〉



マサエ＞おや、シロ。おかえり。

帰って来たすねこすりに、自らが付けた名前を呼んで迎えたマサエ

だがすねこすりは、先程の鬼太郎達の言葉もあってか、顔を伏せている

マサエ＞どうしたんだい？お入り。

言いながら、マサエはすねこすりを抱き上げる

すねこすりが見上げると、彼女は微笑んでいた

それに安心したのか、嬉しそうな顔をする

だがまた辛そうに咳き込むマサエ

彼女がしゃがむと、すねこすりは腕から離れた

離れなければ・・・と思ったのか、すねこすりは駆け出していた

マサエ＞シロ・・・どこに行くんだい！？シロ！

それからしばらくして、雨が降り始めた

雨の中、すねこすりは山の中をさ迷い歩く

一方、鬼太郎と目玉おやじ、かごめはマサエの自宅を訪れていた

傘を指していないため、彼らは雨水でびしょ濡れだ

鬼太郎＞開いてる・・・マサエさんは・・・。

目玉＞気力を吸われ、倒れているのかもしれん。

鬼太郎＞失礼します！

開いていた玄関から入り、室内を探し始める

だが・・・

鬼太郎＞いない・・・。

かごめ＞こっちにもいない。

仕方なくマサエの自宅を後にし、３人は隣村の民宿へと向かった

マサエの息子・翔に会うためだ

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