○●68●○ ページ22
●翔side●
翔「あれ…？」
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バイト終了後
今日も例のごとく講師控え室の整理をしていると
見覚えのある黒い紙袋を見つけた。
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翔「んだよ、またかよ…」
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先日、うちの塾に他のテナントの郵便物が紛れ込む
なんてことがあったばかりだけど
今回も間違って配達されたらしい。
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安「櫻井先生どうかした？」
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溜息をつく俺に
気付いた安川先生が話し掛けてきた。
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翔「それが、またコレが入ってて…」
安「あらら。先生、ドンマイ(笑)」
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俺が袋を見せると
安川先生は笑ってこう続けた。
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安「まぁ、でも、キレイなお姉さんに会えるからいいじゃない♪」
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そう言って肘で俺の腕を突いてくる先生。
『キレイ』？(´ω｀)
うーん…
あの女性社員、確かに美人ではあったけど。
(ちょっとケバ過ぎだったような…)
.
翔「先生も中に入ったことあったんですね。」
安「いや？ないけど…“そーゆー会社”だし、きっと美人がいっぱいいるのかなって。」
翔「？？？そーいえば、上って何の会社なんスか？」
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俺の何気ない問いに
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安「え？知らないの？！」
.
安川先生は大きく目を見開いた。
――――――――――――−…
片手に紙袋を提げ
ついこの間来たばかりの所の前に立つ。
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【(株)FREESTYLE】
ドアに書かれている会社名を見て
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翔「これが偽モンなんて…気付くわけねーじゃん…」
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安川先生に言われたことを
頭の中で整理する。
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当たり障りのない会社名は架空の名前だということ。
そして本当は
『デリバリーヘルス』の事務所だということ。
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そんなこと
これっぽっちも知らなかった。
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翔「すいませーん。下の階の者ですけど…」
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前に来たときと同じようにドアを開ける。
しかし、入ってすぐの部屋には誰もおらず
電気だけが煌々と点いていた。
.
翔「すいませーん！」
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もう一度声を掛けてみても
結局誰も出てこなくて…
紙袋だけ適当に置いて帰ろうと
ドアの取っ手を掴んだ
そのとき…
.
？「ジュリいいよ〜♪」
.
.
奥の方から聞こえた声に
思わず背筋がゾクっとした。
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作者名：ちず
| 作成日時：2011年4月23日 18時
