○●64●○ ページ18
翔「えっ？マジで？！」
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洗面器を抱えていない方の腕を引き
ガッツポーズを作る櫻井さん
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番台「えぇ、だからゆっくりしといで〜。」
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番台のおばあちゃんが言うには
今の時間、お客さんは
あたしと櫻井さんの二人だけらしい♪
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そりゃあ
櫻井さんは大喜びなわけで…
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翔「貸し切りイェーーーーッ！！」
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ザッバーーーーーーン！！
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壁で仕切られた隣の男湯にて
一人ではしゃぐ男性(いい大人)の様子は
見ないでも分かった。
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翔「わぁ！俺、今富士山のテッペンにいるぞー！！」
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……前言撤回！
さすがに今のは分かんないっ！ヾ(;∇;)ﾉ
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あ「櫻井さーん！怪我しないでくださいよー？」
翔「わかってるってー♪あ！しりとりしよーぜー！」
あ「ぇえっ？('∇';)」
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壁の向こうから聞こえた
小学生のような提案に
思わず頭の上に乗せていたタオルを落としてしまった。
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翔「リンゴッ！」
あ「(もう始めてるし！)」
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〜数十分後〜
翔「ル、ル、『ル』って少ねーんだよ…」
あ「ですね(笑)」
翔「ルーレット！」
あ「ソレもう言いました。」
翔「じゃあルビー！」
あ「ソレも言いました。」
翔「えーっと…えーっと……ﾌﾞｸﾌﾞｸﾌﾞｸ……」
あ「…ん？櫻井さん？櫻井さんっ？！(゜□゜;)))」
――――――――――――−…
番台「翔ちゃん…どうしたの？」
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休憩所の長椅子に横たわる櫻井さんを見ながら
おばあちゃんが心配そうな顔をする。
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あ「のぼせて鼻血出しちゃったみたいで…」
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目を閉じている櫻井さんの口もとからは
微かに寝息が聞こえた。
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番台「しばらくそのまま寝かしといてあげな？」
あ「はい…」
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おばあちゃんが去った後
眠っている櫻井さんの頭を静かに起こし
あたしは自分の膝の上にそっと乗せた。
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彼の寝顔を至近距離で見つめながら
そのぷっくりとした唇に目を奪われ
一瞬…
その唇に触れてみたい欲望に駆られたが…
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それはすぐに収まった。
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だって
だって
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鼻にティッシュ詰まってんだもん！(;∇;)ﾉうわーん！
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作者名：ちず
| 作成日時：2011年4月23日 18時
