○●ビスケット●○ARS・Sakurai Part3 (ページ16)

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マ「はい、はい、…えぇ、以後気を付けますので…」

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言葉は穏やかなのに

受話器を耳と肩の間に挟みながら話すマイちゃんの顔は

お世辞にも『にこやか』とは言えない。

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マ「はい、それでは…失礼いたします。」

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相手が先に切るのを待っていたのか、

しばらくしてから

マイちゃんは受話器をガチャン！と乱暴に戻した。

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あ「どーしたの…？」

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『あんまりイライラしないで』と言わんばかりに

コーヒーではなくホットミルク(カルシウム取らなくちゃ！)を

マイちゃんのデスクに置きながら聞く。

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マ「あ、ありがと。下の階の塾からよ。これでクレーム何回目だろ？」

あ「あぁ…、また…。」

マ「もう、ほんっとうるっさい！先にテナント借りたのはこっちだっつの！」

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あらら…

ホットミルクの効果はなかったみたい(^-^;)

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マイちゃんはデスクに両手をバンッ！とつき

勢いよく席を立つと控え室へ向かい、

そこにいた女の子に何かを話している。

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はっきりとは聞こえなかったけど

『事務所に来るときはあんまり派手な格好で来ないように』とか

『塾の子どもだけじゃなくその保護者ともすれ違わないように』とか

さっき電話で言われたことを伝えているのが分かった。

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あ「(事務所の下が塾だといろいろめんどくさいなぁ…)」

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な～んて

まるで他人事のようにぽけーっと考えていると

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マ「ジュリちゃんも気を付けてねっ！(;｀□´)ﾉ」

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『どーせ聞こえてたでしょ？』と

控え室から顔だけひょっこり出したマイちゃんに

きっちり釘を刺されてしまった。

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あたしは『分かった』と軽い返事をすると

近くにいた潤に

『買ってきたほうがいいんじゃない？にぼし。』

と耳打ちした。