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あ「櫻井さん！いい加減にしてくださいっ！！」
翔「お前こそ落ち着けよっ！」
あ「そんなに“そいつ”が好きなんですかっ？！」
翔「あぁ好きだね！」
あ「も〜〜〜っ！早く“そいつ”から離れてください！((o(｀□´;)o))ﾑｷｰ」
翔「やだっ！俺は一生“こいつ”と付き合っていくんだっ！！(;｀皿´)ﾌﾝｶﾞｰ」
.
狭くて窮屈な部屋の中
珍しく
二人の大きな声が飛び交う。
.
あ「『一生』？！そんなの絶対許しません！！」
.
声を荒げるあたしと
.
翔「俺はぜってー“こいつ”と離れねぇっ！！」
.
“そいつ”にがっしりとしがみつく櫻井さん。
.
櫻井さんが“そいつ”のことを
こよなく愛していることはよく分かっていた。
あたしがここに来る前から
ずっと一緒に暮らしてたんだもんね。
.
だから
櫻井さんと“そいつ”を離れ離れにしてしまうのは
あたしだって
心苦しいんだよ？
.
でも
.
しょうがないじゃない。
.
だって季節は…
.
あ「もう春なんだから！コタツは片付けますっ！！」
.
コタツの足にしがみついている櫻井さんごと
ズルズルと引っ張り押入れの前まで持っていく。
.
翔「あと少し、あと少しだけ一緒にいさせてくれ〜(泣)」
あ「(ほんっと子どもなんだから…)」←無言で櫻井を引きずる
.
――――――――――――−…
.
パタンッ
.
物で溢れかえっている押入れに
無理やりコタツを片付け戸を閉めると
部屋が少し広くなったような気がした。
.
一段落着くと
櫻井さんが煙草を持ってベランダへ出たので
あたしもその後に続く。
.
外に出るとお日様の光が当たって
部屋の中より暖かかった。
.
あ「すっかり春ですね〜♪」
翔「…(｀ε´)」←まだスネてる
.
返事が返ってこなかったので
ちょんちょんっと
彼の青いセーターを掴んだ。
.
あ「これも…もう片付けましょうね。」
.
裾を引っ張りながら言うと
.
翔「…まだいいよ。」
.
やっと返事が返ってきた。
.
翔「もう少しだけ…着てていい？」
.
膨れっ面だった顔が
笑ったから
.
あ「…しょうがないなぁ。」
.
あたしも思わず
笑った。
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作者名：ちず
| 作成日時：2011年4月23日 18時
