∞A cup of coffee∞《青》Part3 (ページ14)

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貸し切りの札が掛かったバーのドアを開ければ、久しぶりの丸山さんともりちゃんに、ほっこりする。

お酒はメニューから飲み放題で、ご飯はサラダ多めのコースを用意してくれてるんやって。

私は端っこ、主役の二人を真ん中に座らせたら二人の会話はあんまり聞こえへんかった。

新「店長、店長ってば！もう、無視しないでくださいよぉ」

新「店長、聞こえてないんですかーっ」

お酒が入った二人は、朝の緊張はどこに行ったんか、ものすごく楽しそうにしとる。

聞こえへんことを二人には言ってへんから、ほんまに悪気なくなんやろうけど。

新「店長ってば！もう、何回呼んだら返事してくれるんですかー」

新「ほんとに、私たち辞めちゃいますよー？」笑

流石に私の中の何かもプツって切れたんがわかった。

谷「なぁ、二人とも」

その言葉にみんなシンとして。
隣に座ってる狩野ちゃんがあーあ、って小さく言うのが聞こえた。

新「なんですか」

谷「自分たちが主役でも、お酒の席でも、わきまえなあかん態度があるやろ？」

新「て、店長、関西弁…」

谷「今まで少しでも、聞いてもらおうって努力したん？口先だけで目上の人呼びつけておいて、返事もらえんかったら、聞こえへん人呼ばわりなん？」

二人とも表情が固くなったのがわかる。

谷「たしかに私は聞こえへんよ。でも、何言ってるかは口の動きで分かってるで？」

谷「他人のこと気遣えへんうちは、接客させられへんな」

最後に出来る限りの笑顔でいった。

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