∞A cup of coffee∞《青》Part3 (ページ2)

今日:8 hit、昨日:1 hit、合計:48,436 hit

92 ページ2

*

少し走ると、ビル街から住宅街に変わっていって街の明かりも少しずつ少なくなっていく。

ポツンポツン、と立ってる街頭と車のヘッドライトを頼りに、章大は、スイスイ車を走らせていく。

『運転、上手なんやね』

安「そー？まあ運転は好きやからね。Aは運転せえへんの？」

『免許は持ってるよ。東京来てからは旅行のときくらいしか乗ってへんけど…』

安「まあ、こっちの方はあんまり車使わんよなあ…よし、着いたで」

『ここ？』

あたりは真っ暗で、ここが何なのかわからへん。

安「おん、ちょっと待ってな？」

章大が先に降りて、助手席のドアを開けてエスコートしてくれる。

『海の匂い…？』

安「わ、めっちゃ鼻ええなあ♪そ、ここ、海やで？海からはチョーっと離れてるんやけど…」

手を繋がれたまま少し歩くと。

『わぁっ！めっちゃきれい…』

安「きれいやろ？この柵の下が海。で向こうに見えるんがさっきまでいたとこやで」

『章大、海がすきやって言うてたもんね』

しばらく二人で夜景を見てたんやけど、不意に章大に右肩を叩かれて、そっちを見る。

いつもニコニコしてる章大が真面目な顔をしてて。

安「A？まだつき合って3ヶ月も経ってへんけど…一生幸せにします。俺と結婚してください」

えっ…

えっ…！？

安「ごめん、やっぱあかんよな？」
　

何も言えない私に、答えを勘違いしたのかまた海の方に向き直ってもうた。

.