閉ざした心が知っている

想いを込めて ページ34

次に1歩前に進み出たのは、小塚。
人前に立つことに慣れていないんだろう、脚が僅かに震えている。それでも小塚は毅然と立ち、前を向いた。


｢僕は有名じゃないし、皆みたいにかっこよくてスポーツができる訳でもない。僕のことを知らない人は多いと思う。だけど、伝えたい。

僕は彼女といると落ち着くんだ。笑顔が優しくて、包容力がある。この4人も、彼女といることで癒されることがあったと思う。僕達の平安を乱さないでくれないかな。｣


あくまで優しく、相手を思いやって言葉を選ぶ小塚。

｢そして、思うんだ。人の気持ちを考えられないような人は、人に愛されないよ。自分のためにも、人を羨んで傷つけるなんて意味の無いことをやめて、自分自身を磨いていってほしい。｣


小塚、お前やっぱ優しいよ。


｢彩は俺の妹だ。
彩は家でもいじめられてるなんて素振りは全く見せなかった。そんなに話していた訳じゃないが様子は気にかけていたつもりだった。
もっと話せば良かったと後悔してる。
彩は昔から優しくて傷つきやすい子なんだ。
要領がちょっと悪くて、しっかりしているのかしていないのかよく分からない奴だけど、嫌われるような子ではないと思っている。どうして彩を傷つけたんだ？何が悪かった？俺に詳細はわからない、それでも彩がいじめられていい理由はないはずだ！｣


力強い裕樹さん。わざわざ戻ってきてくれて。アーヤはあまり好かれてないとか言ってたけど。大丈夫、アーヤ。君は愛されてるよ、お兄さんに。


｢……もっと語りたいことはあるんだけどね。時間が限られてるから、そろそろ終わらせてもらうよ。｣


｢彩をこれ以上傷つけるな｣


｢僕達の大切な仲間に償ってほしい｣


｢俺達が立花と仲良くしようと、お前達には関係ない｣


｢頭冷やせ、また何かしたら許さねぇ｣


｢社会的に死なせてやるよ｣


｢社会的にだけじゃ俺達の怒りは収まらないかもね？｣



『立花は俺達の大切な人だ。』


『立花を傷つけたら黙っていない。』





『俺達は、仲間だ。』

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