俺が。 ページ29
「どうして何もしなかった?!アーヤはずっと苦しんでいたのに! 」
どうしようもなく言葉がでてくる。
「お前ならきっと気づいたはずだろ?!いつもならすぐ気づくだろ!」
ちがう、黒木を責めたいわけじゃない。
「それとも、気づいてたのか?それなのになにもしなかったのか?」
黒木はずっと下を向いている。
「どうしてだよっ!なんで、なんで放っておいたんだよ、ありえないだろ!」
苦しい。
こんなことをわざわざ言いたくない。
お互いの傷を広げたくない。
黒木を傷つけたいわけじゃないんだよ、
「おかしいだろ、何にもできなかったのかよ!なにか出来たはずだろ?!」
そこまで叫んで気づいた。
.........違う、これは
俺だ。
「アーヤが大切じゃなかったのか?!」
俺が、言われるべき言葉。
「どうしてだよ、好きなんだろ、大事なんだろ?」
言葉が心に刺さる。
「どうして、どうしてっ.........」
「なんでもっと連絡しなかった......」
顔が歪む。
涙が溢れる。
胸が痛くなる。
「どうしてもっと気にかけてやれなかったんだよ、」
後悔ばかりが渦巻いて、感情ばかりが溢れ出る。
「自分が楽しければいいのかよ、アメリカで自由に暮らしやがって」
そうだ、俺は最低だ。
「...俺に責める資格なんてない、どうしようもない。」
どんどん声が出なくなる。
喉の奥がぎゅっと痛い。
苦しい、苦しいけど。
アーヤはその何倍苦しかったろう。
一人で泣いたりしたんだろうか。
なんでだよ、
「なんで......」
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yuzuka - とっても面白かったです。また色んなお話を書いてください!応援してます (2022年11月2日 20時) (レス) @page45 id: 81843b67d7 (このIDを非表示/違反報告)
ぱんだ - めっちゃ面白すぎて今4周しました!これからも頑張ってください! (2022年8月16日 16時) (レス) @page45 id: 09838c8ac8 (このIDを非表示/違反報告)
柚菜 - あーー、感動しましたいいお話をありがとうこれからも頑張ってください (2022年1月15日 13時) (レス) @page44 id: 1216b927b2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - お返事ありがとうございます^^*もちろんです!お待ちしています! (2021年4月30日 0時) (レス) id: 7efce59d5b (このIDを非表示/違反報告)
HUMA(プロフ) - ゆいさん» ゆいさんコメントありがとうございます。嬉しいです。あと本当にもう少しなのでどうにか終わらせたいです。最後までどうかお付き合いいただければ幸いです。 (2021年4月29日 23時) (レス) id: 75b28dedc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HUMA | 作者ホームページ:https://odaibako.net/u/potage1314
作成日時:2016年7月11日 9時