世界的アーティストは元GENERATIONS

suiker ページ36

TETSUYA side









USA｢どう?生suikeは笑｣

TETSUYA｢…｣

USA｢TETSUYA?笑｣

TETSUYA｢…え?あ、なんですか?｣

USA｢生のsuikerステージどう?｣

TETSUYA｢凄いっすよね…。なんていうか、こう…。言葉で表すのが難しいんですけど｣









疎らになったお客さんたちが吸い寄せられるようにステージ前に戻っていく。
俺を含め先にステージを終えた演者達も食い入るようにsuikerを見ている。









DVDとかYouTubeでしかsuikerを見れなかった。

だって、あのsuikerだよ?
世界的に有名で誰しもが聞いたことある曲をバンバン生み出す天才だよ?









LIVEは基本的に情報なしに出演するし、主催のLIVEは即完売。
チケット取れるなんて奇跡に近い神様の様な存在が目の前で踊ってる。









USA｢流石…。楽しそう笑｣

TETSUYA｢ん?何か言いました?｣

US｢いや、凄いなぁって笑｣

TY｢本当に凄いですよね…｣









お客さんの歓声にかき消されUSAさんの言葉は良く聞き取れなかった。
聞き返せば“凄い”と。

本当にその言葉しか出てこない。









仮面に隠された素顔。
目に見えないけど笑ってる気がする。
すっごく楽しそうで、心の底からダンスを愛してる事が伝わってくる。









『“This is the last. Thank you for watching so far.”』









マイク越しに聞こえてきた声にお客さんから不満の声が上がる。
そりゃそう。

俺ももっと見たい、まだ早い。
そう思ってしまった。









ケータイで時間を確認すれば30分は経つ。
あっという間の30分だった。









『“Thank you. I hope to see you again.”』









静かにそう呟いて暗転したステージから戻ってきたsuiker。
本当だったら駆け寄って賞賛したい。

だけど、オーラが凄くて誰も近づけない…









『USAさん、この機会を頂けて心より感謝致します。ありがとうございました』

USA｢こちらこそ最高のステージをありがとう笑｣

『TETSUYAさんもお疲れ様でした』









USAさんと会話中も俺は見てることしか出来なくて…
サウ本人から話し掛けてくれたのに言葉を交わすことなく帰ってしまった。









これからは同じ事務所だし、絶対仲良くなってやる…

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