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「......望、」
「、りゅうせ、なんで、」
「...望来るの遅いな思って探しててん。ちょっと嫌な予感して。
...まさか、襲われそうになってるとは思わへんかったけど、」
「...ごめ、ありがと、りゅうせ、」
そう言うてはにかむ望。
...額には汗が滲んでて、息切れも激しい。
「...なあ望、アイツに何されたん？」
「...わからへん、ただ、チョコたべてくれ言われて、たべたら、ぁ、」
...なるほどな。
これは確信犯か。ほんまに危なかったんやな。
「...多分、何か薬盛られてたんやろな、」
「っは、りゅうせ、」
「...望、大丈夫か？早よ帰ろうか、」
「...まって、...いっこ、一個だけ、きいて、」
「...何？」
望を抱えようとする俺を、制止する望。
「おれの、かばんの中、っ、、」
「...鞄？」
床に転がっていた、望の鞄を渡す。
「...、ん、」
「...これって、」
息を切らしながら望が取り出したのは、
...綺麗にラッピングされた小包。
「...バレンタイン、あげよ、おもって、
んふ、ちゃーんと、本命やで、？」
「...望、」
「...なぁ、俺、からだ、あつくて、っ、限界で、、...ん、
これ、もらってくれるなら、、今すぐ、っ、楽にしてぇ、ほしいねん、...」
途切れ途切れに言葉を繋いだ望。
苦しそうに顔を歪ませてそう言う望は、教室に差し込む夕日に照らされて、キラキラ揺らめいて、
どこか官能的で儚いその光景に、思わず息を呑む。
「......俺も、買ってきてん、」
「ぅえ、、」
そう言うて自分が買ってきたチョコを取り出せば、驚いたように目を開く望。
「......望、好きや。」
「っ、りゅうせ、、！」
...多分、俺が望にずっと感じてたこの気持ちは、恋、やったんか、
...なるほど、そう思えば、今までの自分が全部しっくりくる。
...しかも、望も、俺のこと好きなんや、
すごい、俺、幸せやん、
嬉しそうに微笑む望を思いっきり抱きしめる。
そして、震えるその唇に、熱いキスを落とした。
end
続く
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作者名：cucucjjcudd853 | 作成日時：2020年4月18日 6時
