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「うわぁ、スゴい！
おおぉ、今のデカいなぁ！！」
隣でしげは目ぇキラキラさせてはしゃぎ出す。
ベランダから身を乗り出して、指差しながら花火を眺めて笑う。
...思わず花火を撮ってたスマホをしげの方に向ける。
鮮やかに空に咲く花をバックに、キラキラ輝く瞳で生き生きとはしゃぐしげ。
...うん、良いムービーや。
「...濱ちゃん濱ちゃん、あれスゴいでぇ、...ぇ、」
ふと俺の方振り返ったしげが、自分に向けられたカメラに気付く。
「ちょ、濱ちゃん、何で撮ってるん！？」
「...いや、しげちゃんの顔見てたらつい撮りたくなってもうたんや。」
「...何やそれ。」
「しげ、ホンマにええ顔するんやもん。キラキラで眩しくてなぁ。
やから、ついカメラ向けてもうた。」
「...」
俺がそう言えば、しげはちょっと恥ずかしそうに俺から目線を逸らして、もっかい花火を見始めた。
...たぶん、俺がしげをよう撮るんは、しげの色んな表情をいつでも振り返れるように保存したいからなんやろうなぁ。
ふざけてるしげも、真剣なしげも、笑顔でキラキラなしげも、
ぜーんぶ記録して俺のもんにしたいんや。
「...濱ちゃん、」
なんて考えてたら、しげがチラッとこっち振り返って、
「...そんなスマホで撮った俺やなくて、本物の俺を直接見てやぁ。
俺は濱ちゃんの、...恋人、やねんから、
ずっと、濱ちゃんの隣におるから、
いつでも、俺のどんな表情も見れるから。」
まるで俺の心を見透かしたかのようにゆっくりそう言うと、また花火に向き直った。
...確かにそうやなぁ。
焦ってぜーんぶムービーに撮らへんくても、
俺はしげちゃんの表情、この目でぜーんぶ見れるんやなぁ。
...でも、思い出やから、たまにはムービーも撮りたいけどなぁ。笑
俺はゆっくりスマホをオフにして、花火としげの方に向き直る。
しげのキラキラした表情を見ながら、俺はその隣に肩並べて、2人一緒に花火を見始めた。
end
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作者名：cucucjjcudd853 | 作成日時：2020年4月18日 6時
