Inevitably5-5 ページ14
寝苦しくなって目を開けた。わたしの部屋と同じ天井、だけどわいわいさんの部屋だってすぐにわかる。
体を起こすと背中や首筋の骨がきしんで痛かった。まだ少し寒気がする。部屋は真っ暗で、枕元に置いた携帯を見ると20時過ぎだった。
リビングに繋がるドアの隙間から光が漏れているのを見て、そっとノブに手を掛ける。動画を撮ってたり生放送をしてたら邪魔になってしまうかもしれないから、ゆっくりゆっくりドアを開けた。
部屋は思ったよりも静かだった。
パソコンの前でうんうん唸りながらわいわいさんが編集画面とにらめっこしている。イヤフォンをしているらしく、わたしには気づかない。
よろよろとソファに歩み寄って座り込んだ。マウスをカチカチ鳴らしながら、なにをしているのかはわからないけれど…そうやってわいわいさんの動画は作られるんだろう。
ソファの背もたれに無造作にかけられていたわいわいさんのパーカーが滑り落ちてきたので、胸元に抱いて横になった。
わいわいさんがたまに思い出したように洋楽を口ずさむので、それを聴いていたらまた少し眠ってしまったようだった。
A、Aと肩を揺すられて意識が浮上する。
「なんでこんなとこで寝とんの」
「ん…」
優しくわたしの頬を撫でたのち、額にそっと触れられる。ひんやりしていて気持ちいい。無意識に手の平にすり寄ってしまう。
「まだちょっと熱いな。冷えピタ貼る？」
「うん…」
毛布持ってくるから、と取り上げられてしまったパーカーが名残惜しい。わいわいさんはせっせと毛布を持ってきてわたしを包んでしまい、額に冷えピタを貼ってくれた。
ソファの空いたスペースにちょこんとオセロが座る。
「腹減ってる？お粥作ったけど」
「食べたい」
「ほな待っとき、用意するから」
頭を一撫でしてキッチンに行ってしまう。たったそれだけのことでも心細くなってしまった。視線だけでわいわいさんを追う。
こんなにも近くにいるのに、遠く感じてしまうのはどうしてだろう。
「わいわいさんは、なにか食べました？」
「んー、軽くな」
「そっか」
しばらくして小ぶりのお椀にお粥が盛られる。覗き込むと湯気を上らせた美味しそうな卵粥。
自分で食べられる？と聞くので、言葉の意味を理解してこくこくと頷いてお椀を受け取った。わいわいさんがオセロを抱き上げて、隣に座る。
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ましろ - 文章もセリフもとても素敵です。幸せになりました。書いてくださってありがとうございます。 (1月10日 2時) (
レス) @page17 id: 42d369048f (このIDを非表示/違反報告)
C(プロフ) - きさん» ありがとうございます、そう言っていただけて幸せです！ (2021年8月6日 17時) (レス) id: 33552a9fa0 (このIDを非表示/違反報告)
き - ほんとに最高です。好きです、ありがとうございます (2021年8月1日 5時) (レス) id: 304424e7c7 (このIDを非表示/違反報告)
C(プロフ) - あさん» 長い間続きをお待たせしてしまいすみません。私生活の方でバタバタしておりまして滞っています。ですが待っていてくださる方がいらっしゃることがわかってとても嬉しく思っています。もう少しお待ちいただけたらと思います。ごめんなさい＞＜ (2021年3月8日 2時) (レス) id: 779f64aa16 (このIDを非表示/違反報告)
あ - どうか、どうか続きをいただけませんか…？ (2021年3月4日 23時) (レス) id: f01f1c5c0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：C | 作成日時：2020年9月4日 23時
