No.52 ページ7
その場に居る人達全員に聞こえるようわざと大きな声でそう話す修。どうやら噂に尾ひれ背びれがついてとんでもないことになってたらしく、それを訂正できて助かったからいい、というのだがこの後輩はどこまでお人好しなのだろう。ここまで来るとお人好しというかそもそも自分のことを損得だとかの勘定に入れてないのでは？とさえ思えてくる
『…怖いやつだな』
｢先輩？何か言いましたか？｣
『んにゃ？なにも』
｢でも本当に良かったです。あのまま噂の訂正が出来ないと僕なんかのせいで風間先輩にまでご迷惑かけてしまう所でしたし｣
誰にも聞こえない音量で呟いたはずなのだが横にいた後輩には何か言った、というのは聞こえたらしい。誤魔化せてほっとしたのもつかの間、Aは修のその言葉を聞いて背中に冷たいものが流れるのを感じた
修の表情に揺らぎはない。嘘でも虚勢でもなく、本心からの言葉だった。一見するとありふれた図で微笑ましいとも思うのに、何故か不穏な空気を感じる。具体的に言葉には出来ないのだがAには今目の前にいる後輩が自分の理解の範疇に居ない物に対して抱くような、そんな得体の知れない恐ろしさを秘めているように思えてならなかった
｢A先輩？どうしたんだ？至急って呼ばれてるみたいだし行くぞ？｣
遊真に声をかけられてハッとする。怖い？不気味？何を思ったんだ、修は初めて出来たかわいい後輩だ。そんなこと思うなんて。そっ、と息をついて気持ちを切り替えて顔に笑顔をトッピングする。上手く笑えてるだろうか
『えぇ〜、俺も行かなきゃダメなの？全力で行きたくないです』
｢はっはっは、残念ながらお前も呼ばれてるんだなー。逃げるようなら引きずってでも連れて来いってさ。というわけで悪いな｣
『そんな！酷いぞ、俺模擬戦やりたぐぇっ』
｢はいはい、後で相手してもらいな。さて、行こうか遊真にメガネ君｣
わざとらしく子供っぽくぶうぶうと文句を言って素早い動きで踵を返しブースに駆け込もうとしたAの襟首を引っつかんで引き止めそのまま俵担ぎする。ここで手を離すとブースに篭もってしまって出てこなくなることを迅は経験からよーく知っていた
『おーーーろーーーせーーー！！！会議だろ！！！俺大人しくしてるの苦手って言うか嫌いなんだけどーーー！！！！むしろあの空間がいやだーーーー！！！！！』
｢今回ばっかりは駄目でーす、お前がいるんだよ。というわけでA達のこと借りてくな｣
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ヲタクメガネ - 頑張って下さい=∀=応援してます！面白かったです♪ (2019年2月2日 13時) (
レス) id: 3e08522e7d (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - とても面白かったです！続きも頑張ってください(*^^*) (2019年1月27日 19時) (レス) id: 4584690b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：βカロチン | 作成日時：2019年1月17日 14時
