No.76 ページ32
戦闘の才能にはそれなりに恵まれていたとはいえ、最終的に自らに合ったトリガーと戦闘スタイルを手に入れて習熟するまでは、いくら優れたトリオン能力があるとはいえ決定的な戦力とはなり得ない存在だった。情報戦に有利なSEがあっても折角戦える人間を遊ばせておく余裕など戦争中の国にあるはずもない。だから彼は基本的に何でもさせられてきた。近接攻撃手が足りなければそこへ回され、狙撃手が殺されればその補充要員となり、面の割れていない潜入要員が必要な場合などもその整った顔立ちから重宝されたものだ。あまり口に出来ないようなそういう方面の経験だってある
派手な立ち回りで相手の全力を出させないようにする騙し討ち型の射手、という印象が強くて忘れがちだが遠近共に立ち回れる技量は持っている
『…とはいったものの人相手に剣使うの久しぶりだからさっきみたく防がれたらゴメンって先言っとく。最近剣なんて振り回してなかったし訛ってんだよな』
｢おいおい、大丈夫か｣
｢動けなかったらいずみん先輩に弾除けにされるよ？｣
｢てかトリガー持ち直せばいいんじゃね？ボーダーの使ってたんだから持ってんだろ｣
『それは無理。今生身に戻ってぶっ倒れん自信が無い』
SEをだいぶ無茶して使ってるからトリオン体から戻る時に一気にかかる負担で意識持ってかれる、とわいわい言ってきたA級3バカトリオに言いながら悠々と歩いている人型近界民に視線を向ける
どういう攻撃するのかは視ていたから知っている。高火力な砲撃、連射性も高くトリオン差によるイーグレットを防げる程度のシールドの硬さが特徴。撃ち合いにはあちらが有利、となると数を生かした挟撃が最善手か。争いは基本的に火力の集中と標的の分散ができる数が多い方が有利だ。その点はボーダー側が有利、問題は。
『弹バカ先輩型の攻撃をするトリガーなら多分ケリードーンだな。トリオンのジェット噴射で空飛べるから気をつけて』
かつて近界で敵対した事がある国のトリガーだ。結構苦戦させられたのでどんなトリガーだったかは薄らぼんやり覚えている。とはいえ使用者までは興味もなかったので覚えていない…と言うよりも記憶の片隅に追いやったのでぱっと出て来ないが。トリガーのことは思い出せたんだから別にいいか、と思考を切り替えることにした
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ヲタクメガネ - 頑張って下さい=∀=応援してます！面白かったです♪ (2019年2月2日 13時) (
レス) id: 3e08522e7d (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - とても面白かったです！続きも頑張ってください(*^^*) (2019年1月27日 19時) (レス) id: 4584690b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：βカロチン | 作成日時：2019年1月17日 14時
