No.5 ページ7
その日の夜
危険区域と指定されているため時間の割に静寂とし、街灯のみが照らす道路をA級1、2、3位と同じA級で7位をミックスした混成チームが駆けてゆく
オペレーターから目標までの距離を伝える声が届く。
残り1000、
「おいおい三輪。もっとゆっくり走ってくれよ。疲れちゃうぜ」
走りながら言葉とは裏腹にノリの軽い感じに太刀川が言う
本当にその言葉とは裏腹で、太刀川の表情は至って普通で、むしろ余裕さえ伺える
言われた三輪は太刀川の前を走っており、目だけを太刀川の方へと向ける
(…やっぱり、この人は苦手だ…)
三輪は何を言うわけでも、スピードを落とすでもなく、内心でただ呟いた
そんな中、更にオペレーターから目標までの距離が伝えられた。
残り500…
そこで太刀川が“何か”に気づいて制止を指示する。
全員が指示に従って止まれば混成チームの目の前に、迅が立ちはだかっていた
明らかに行く手を遮る目的で道路の真ん中に…
第一声に三輪が迅の名を口にする
「成程、そう来るか」
太刀川は驚きも何もなく、ただ冷静に言う。
「太刀川さん久しぶり。皆お揃いでどちらまで?」
『どーも、俺も居るよ。みんなで作戦室篭って出てこないから何してるか気になってたんだけどビンゴってやつ?』
そう言ってそれぞれの獲物に手を置いて牽制の意を表しつつ尋ねる。瞬間ピリピリした空気が張りつめるもどこ吹く風と言わんばかりに笑うだけ。数秒か、はたまた数十秒かの沈黙の後に初めに口を開いたのは当真だった
「迅さんじゃん。何で?さてはA、お前チクったな」
『人聞きの悪い。俺は遠征部隊と三輪隊がご丁寧にバックワーム着て走ってんのが視えたから来ただけで迅さんにはなにもいってないぞ?言う気も無かった』
「よう当真。コイツが居るのはコイツの独断。冬島さんはどうした?」
普通に返す迅に船酔いである事を答えると、前に居る風間に余計な事を喋るなと窘められた
「こんな所で待ち構えてたって事は、俺達の目的も分かってる訳だな」
太刀川が二人に向かって言う
「“うちの隊員”に、ちょっかい出しに来たんだろ?最近、玉狛の後輩達はかなり良い感じだから、ジャマしないでほしいんだけど…」
一見、多勢に無勢であるにも拘わらず、迅は表情一つ変える事無く告げる。
「そりゃ無理だ。…と言ったら?」
太刀川の問いに迅は柄に置いた手に少し力を加える
「その場合は仕方無い。実力派エリートとして、可愛い後輩を守んなきゃいけないな」
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アキ猫(プロフ) - No.44が蛟龍さんの「トリオンは生体エネルギーである」という小説の10ページ目の文に似すぎていませんか? (2021年6月28日 5時) (レス) id: 5cc706f72c (このIDを非表示/違反報告)
view_kc(プロフ) - 独自の設定がしっかりしてて面白いです!頑張って下さい (2019年2月24日 22時) (レス) id: 83b9dd6e07 (このIDを非表示/違反報告)
きのこの山よりたけのこの里(プロフ) - 本当ですか!!ありがとうございます!楽しみにしています!! (2019年1月18日 7時) (レス) id: a4f66017fa (このIDを非表示/違反報告)
βカロチン(プロフ) - きのこの山よりたけのこの里さん» わ〜!ありがとうございます好きって言って頂けてめちゃくちゃ嬉しいです!続編まだ本文が書けて無くてですね…明日明後日くらいまでにはパスワードも外して公開する予定なので…もうしばらくお待ちください…! (2019年1月17日 19時) (レス) id: 5d2c5598e6 (このIDを非表示/違反報告)
きのこの山よりたけのこの里(プロフ) - この小説めっちゃ好きです!続編に続いてたので、ページに飛んで行ったら、パスワードが掛かっていたので続編のパスワード教えて貰えないでしょうか? (2019年1月17日 17時) (レス) id: a4f66017fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:βカロチン | 作成日時:2018年12月29日 19時