No.42 ページ44
「あああああの、本当にごめんなさい。本当にわざとじゃないんです」
「訓練中の不慮の事故だろう?分かっているとも。ところで名前はなんて言うのかね?」
「雨取です、雨取千佳。えっと、先輩達は悪くなくて、私のせいだから…その、怒らないでください…」
「そうかそうか、千佳ちゃんと言うのか。大丈夫、あの壁もトリオンで出来てるから簡単に直せる。それにしてもすごいトリオンの才能だねぇ…御両親に感謝せんといけんよ」
「は、はい…!」
先程までの怒りを何処に置いてきたのか一転して菩薩のような顔になり優しい手つきで頭を撫でる鬼怒田に戸惑いながらも千佳はしっかりと返事を返す。まぁ実際に故意に起こしたことではないので最初から本気で怒るつもりはなかったのかもしれない。なんにせよ壁を治すためのトリオンを分ける程度のお咎めで済むならよかった、と息を着いたところでAのSEがこちらに向かって走ってくる修と遊真を捉えた。2人して慌てた顔をしているのはもしかして千佳に何かあったと思っているのだろうか
「「千佳っ!」」
「前にも廊下の壁をぶち抜いた馬鹿がいたから強度をあげたんだがそれをものともしないトリオン量…いやぁ本当にすごい才能だねぇ。今度きちんと測定させて貰えるかい」
「も、もちろんです。…あっ、修くん。遊真くん」
『心配しなくてもチカちゃんに何かあったわけじゃないぜ』
千佳は無事なのか、大丈夫なのか、心配してます!と言わんばかりの雰囲気を纏って訓練室に飛び込んできた2人にヒラヒラと手を振ってそう言うと修は明らかにほっとした顔になる。友達にするにしては過剰とも言えるその反応を見てひょっとして付き合っているのか?と思ったが知り合ってからの数週間、一切甘い雰囲気になっているのを見た事がないのでそれは無いか、と思い直した。そうこうしている間も鬼怒田の千佳の頭を撫でる手が止まらないのは流石、と言えばいいのだろうか
「…鬼怒田さんってもしかしてロリッ『さとり、それ以上はいけない』ウィッス」
「いや、多分別れて暮らす娘さんと被るんだろう。確かあれくらいの年の娘さんだったはずだ」
『なるほど。なかなか会えないなら寂しいもんな〜よかった、そう言う性癖のアレなんじゃなくて』
「A〜、お前人がいいかけたら止めるくせに自分は言うのどうかと思う」
『俺はロリコンって断定してないもーん』
「はは、どっちもどっちだな」
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アキ猫(プロフ) - No.44が蛟龍さんの「トリオンは生体エネルギーである」という小説の10ページ目の文に似すぎていませんか? (2021年6月28日 5時) (レス) id: 5cc706f72c (このIDを非表示/違反報告)
view_kc(プロフ) - 独自の設定がしっかりしてて面白いです!頑張って下さい (2019年2月24日 22時) (レス) id: 83b9dd6e07 (このIDを非表示/違反報告)
きのこの山よりたけのこの里(プロフ) - 本当ですか!!ありがとうございます!楽しみにしています!! (2019年1月18日 7時) (レス) id: a4f66017fa (このIDを非表示/違反報告)
βカロチン(プロフ) - きのこの山よりたけのこの里さん» わ〜!ありがとうございます好きって言って頂けてめちゃくちゃ嬉しいです!続編まだ本文が書けて無くてですね…明日明後日くらいまでにはパスワードも外して公開する予定なので…もうしばらくお待ちください…! (2019年1月17日 19時) (レス) id: 5d2c5598e6 (このIDを非表示/違反報告)
きのこの山よりたけのこの里(プロフ) - この小説めっちゃ好きです!続編に続いてたので、ページに飛んで行ったら、パスワードが掛かっていたので続編のパスワード教えて貰えないでしょうか? (2019年1月17日 17時) (レス) id: a4f66017fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:βカロチン | 作成日時:2018年12月29日 19時