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「あの女って2年か?」
『私らと同じクラスやね』
「俺話したことあるけど、結構男勝りな子だね」
ほーん、と自分で聞いておいて興味なさげに返事をする侑だったが、何を思ったのか彼女のことを真剣な表情で見つめていた。
「あのさ、治くんと一ノ瀬さんってどんな関係なん?」
「幼馴染やけど」
「ホンマにそれだけ?付き合ってるとかは?」
「…ないけど」
『告白…じゃない?』
「なんやあの女。サムの返答によってはAに手ぇ出そうとか考えてんとちゃうやろな」
「侑の殺気でバレるからしまって」
「でもいっつも一ノ瀬さんと一緒におるやんか!侑くんも!!」
「別にええやん。自分に関係ないやろ」
「関係あるわ!私は治くんが好きやねん!好きな男にベタベタする女を見たらそら嫉妬するに決まっとるやんか!!」
「わーおド直球」
『やるやん』
「いやAが褒めるとこちゃうで今のは「誰がベタベタしとるねん!」って怒るところや」
『周りからはそう見えてるって自覚してやってるからええねん』
「クソ女やな」
『でもそんな私が好きでしょ?♡』
「うっさい好きやわ文句あんのか」
「開き直ってて笑う」
コントなんてやってる場合じゃない、サムはなんて返すんやろ、と黙ったままの治を見つめる3人と告白した本人。
「…自分の気持ちには答えられへんわ。すまんな」
「…まぁ、返事は大体予想ついてたから、ええわ。でもこれだけは答えてもらうで。治くんは、一ノ瀬さんのことどう思ってるん?好きなん?」
「好きやで。そうじゃなかったら一緒におらん。ツムもな。俺ら三つ子みたいなもんやねん」
少し笑いながら答える治の顔は、嬉しそうな、幸せそうな顔だった。
それはまるで大好きな飯を食ってる時のような。
「即答かあ。しかもそんな顔されたら諦めるしかないやんな…」
ガシガシと頭を搔く彼女の顔は、スッキリとしていて、なんの迷いもないように見えた。
「その"好き"が恋愛感情か家族愛みたいなもんかは聞かんけど、大事にしーよ。片割れも幼馴染も」
そのまま背を向けて去っていくように見えたが、あっ、と小さく声を漏らして、背を向けたまま治に言った。
「一ノ瀬さんは特に女からも男からも狙われとるからなー!守ったりー!」
そう言いながら去っていく彼女はとても男らしかった。
『…えっ、なにあのイケメン』
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ちー(プロフ) - 安蒜 佑さん» ありがとうございます!え、明日じゃないですか!!私は今日で終わりましたが、明日の受験頑張ってきてくださいね!! (2020年10月24日 20時) (レス) id: 82aa1e1d2c (このIDを非表示/違反報告)
安蒜 佑(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます!受験、私は10月25日です。お互いに頑張りましょうね! (2020年10月14日 21時) (レス) id: 789e459cc4 (このIDを非表示/違反報告)
ちー(プロフ) - ブドウ味のリンゴさん» 率直でシンプルな感想!ありがとうございます!そういうの好きです(?) (2020年10月14日 19時) (レス) id: 82aa1e1d2c (このIDを非表示/違反報告)
ちー(プロフ) - 89さん» お返事遅れて申し訳ありません!そう言って貰えてとても嬉しいです…!しばらく更新できなくてお待たせしてしまっていますが、更新再開までもう少しだけお待ちください…! (2020年10月14日 19時) (レス) id: 82aa1e1d2c (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ味のリンゴ - んもう!好き!!!!! (2020年10月11日 23時) (レス) id: 106317acf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちー | 作成日時:2020年4月28日 9時