【HQ】幼 馴 染 。【稲荷崎】

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一ノ瀬Aはバレー部の先輩たちにめちゃくちゃ好かれていた。理由は2つ。

宮ツインズの幼馴染であり、二人の暴走を止められること。
そして、A自身めちゃくちゃ先輩に好かれる性格をしていること。

先輩は尊敬してるし、失礼な態度は絶対に取らない。生意気なことも言わない。気遣いもできて優しく後輩として可愛い。そう可愛い。(重要)



「一ノ瀬はそれで足りるんか」

「あ、やっぱ信介もそう思うやんな？やから俺のわけたるって〜」

『文化部女子なんで全然足りますよ』

「遠慮はあかん！」

「俺のも少し食うか？」



バレー部にはいない女子の後輩に、とことん甘やかしたい3年生。その光景を角名は関わらないようじっと見ていた。



「(いや素の一ノ瀬さんでこの状態なんだからもうヒロインでしょ…なってるわ…)」



ちなみに角名は英語の後、「Aな、実はかくかくしかじかで…」と治に経緯を説明されていた。もちろん角名は「えっ、俺弄ばれてたの…？」と複雑な気持ちになったが、「いやあれは素らしいで」と言われ無事尊死した。



「一ノ瀬ちゃんはもっと先輩頼らなあかんで！」

「せやな。一ノ瀬、双子で困ったことがあったら言い」

「そうや！信介が何とかしてくれる！」

「双子以外の2年の事でも困ったら言いや」

「親かよ…」



思わず小声で突っ込んでしまった角名。

しかし次の瞬間、角名は急にスマホを構えて(バレないように)動画を撮り始めた！



『っふふ』



Aはクスクスと先輩たちを見て笑った。

そんなAを見て全員ピタリと動きを止めた。



『先輩たち優しすぎますよ。そもそも私、バレー部になんの関わりもないですよ？私は先輩たちの後輩じゃないし、先輩たちも私の先輩じゃないです』




でも、と言葉を続ける。




『いつも、ありがとうございます』





とびっきりの笑顔。

全員その場で胸を抑えて倒れた。(北以外)



「これでヒロインになりたい…？無理だろ…」

『え、私そんなつもりなかったのに悩殺させた？ちょ、角名ああ！どうしよう…！！』

「一ノ瀬大丈夫や。落ち着け」

『きっ、北さん…！笑顔ですか？私の笑顔ですか！？』

「まぁそやな」

『私の笑った顔ってそんなに可愛いですか！？』

「おん」



でも自覚しちゃってるのがな〜〜〜、と思う角名だったが、スマホで撮影した先程の動画を見て、



「オッホホ」



とニヤつくのだった。

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