Episode.銀島結 ページ14
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一ノ瀬さんと本格的に絡み出したのは、2年に上がってからだった。
1年の頃は宮兄弟とも一ノ瀬さんともクラスが違ったし、ただ「宮兄弟の幼馴染」っていうだけの認識。特別関わりもなかった。
『結ちゃーん。侑おる?』
「今おらんなぁ。ちょうど便所行ったところや」
『そか。じゃ待つか』
一ノ瀬さんは俺の目の前の空席を指差す。『これ誰の席?』と問うから「侑やよ」と答えれば『ほーん』と言ってどかっとその席に座る。
こうやって普通に話すようになったのも、俺と侑が同じクラスになって、成り行きで一緒に飯を食うようになってからのこと。
『侑と席前後なんて運無いなぁ』
「そうでもないで。侑デカいから後ろで寝ててもバレんし話し相手にも困らん」
『結ちゃん優しいな。私なら喧しくて嫌になるわ』
「侑が喧しくなるのは一ノ瀬さんだからやと思うけどな」
一ノ瀬さんは俺の事を『結ちゃん』と呼ぶ。『ひとしちゃん』やなくて『ゆいちゃん』な。
理由は『なんか可愛ええやん?』らしい。かく言う俺も、気に入っている呼び名。
そう思った矢先。
「…ねぇ、銀島くん嫌がってるよ」
『は?』
急にクラスの女子に話しかけられる。
一ノ瀬さんは俺の方を向くが、俺にも何のことか分からない。
『ごめん結ちゃん、何か嫌やった?』
「いや「その呼び方に決まってるやん!」え」
「女の子みたいな呼び方されて、銀島くんいつも微妙な顔しとる!銀島くんは優しいからアンタに言えないだけやで!!」
何の事か全くわからなかった。身に覚えがない。微妙な顔?そんなことした覚えない。
嫌だと思ったことがないのに、目の前の女子はさも自分が俺の事を理解してるかのように堂々と言葉を紡ぐ。
ああそうそう、一ノ瀬さんの第一印象は「やたらと女子に絡まれる美少女」やったなぁ。
初めて会った時も、今みたいに女子に絡まれていたことを思い出した。
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ちー(プロフ) - 安蒜 佑さん» ありがとうございます!え、明日じゃないですか!!私は今日で終わりましたが、明日の受験頑張ってきてくださいね!! (2020年10月24日 20時) (レス) id: 82aa1e1d2c (このIDを非表示/違反報告)
安蒜 佑(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます!受験、私は10月25日です。お互いに頑張りましょうね! (2020年10月14日 21時) (レス) id: 789e459cc4 (このIDを非表示/違反報告)
ちー(プロフ) - ブドウ味のリンゴさん» 率直でシンプルな感想!ありがとうございます!そういうの好きです(?) (2020年10月14日 19時) (レス) id: 82aa1e1d2c (このIDを非表示/違反報告)
ちー(プロフ) - 89さん» お返事遅れて申し訳ありません!そう言って貰えてとても嬉しいです…!しばらく更新できなくてお待たせしてしまっていますが、更新再開までもう少しだけお待ちください…! (2020年10月14日 19時) (レス) id: 82aa1e1d2c (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ味のリンゴ - んもう!好き!!!!! (2020年10月11日 23時) (レス) id: 106317acf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちー | 作成日時:2020年4月28日 9時