短編集［S.S.］ (ページ4)

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#雨の日に ② ページ4

はぁ…

頑張って走ったけど
走るのにも泣くのにも
疲れて途中から歩いて帰った。

翌朝起きたら身体がものすごくだるくて
熱を計ったら…

貴「…37.3℃か、、」

そこまで高くないけど
しんどいし秀太に会いたくないから学校休もう。

A母「あれ？A風邪？念の為休む？」

貴「うん。そうする」

お母さんが部屋を出た直後に…

ピンポーン

あっ、、最悪。。
いつも秀太と待ち合わせしてる時間だ。
どうせ来ないと思ってたから
連絡しなかったんだよね。
はぁ。どうしよう。
まあお母さんが何とかしてくれるか！←

A母「あら！秀太くん、おはよう！」

秀「おはようございます、おばさん。
Aは？寝坊っすか？笑」

そんな声が玄関から聞こえてきた。

A母「あっ…今日ねA学校休むって。
昨日あんな雨の中傘もささず
ずぶ濡れで帰ってきたから
熱出しちゃってね…
授業終わってすぐ帰ってきたんだから
お友達に傘入れてもらえばよかったのに
馬鹿よね～、あの子。笑」

秀「…え？そうなんすか…」

秀「じゃあ………………ますね」

最後は何て言ってるか聞こえなかった。
きっと、じゃあ学校行ってきますねとかだろうな。

てか、昨日あんな酷いこと言ったのに
なんでこんなバカみたいに優しいの。
勝手に学校行けばいいのに、、、

貴「なんで秀太はそんなに………
どんどん好きになっ…ちゃう…じゃん。ｸﾞｽ」

ただの独り言のつもりだった。

ガチャ

お母さんにも泣いてることは
バレたくないって思ってお布団に潜り込んだ。
その瞬間に軋むベッド。

秀「A？ごめんな」

頭を撫でながらそう呟く秀太。

全然頭が追いつかなかった。

えっ、、？秀太、、？？

学校向かったんじゃなかったの？

てかなんで秀太が謝るの？

とりあえずはやく部屋から出ていってほしくて

貴「ここでなにしてんの？こういうの迷惑なの。」

秀太の手をはらって起き上がる。

でも

秀「熱大丈夫なん？」

どんなに酷いことを言っても
優しく接してくる秀太。

額に当てようとする秀太の手をうまく交わして

貴「大丈夫だから」

貴「早く行かないと学校遅刻するよ」

素っ気ない態度で秀太を怒らせたかった。
はやく秀太に嫌われたい。
もう隣にいれないなら
いっそ嫌いになってほしい………

でもそんなことは秀太に通用しなくて
気付いたら手首をホールドされて
優しくベッドに押し倒されていた。