169大好きだった家族 ページ24
気絶したAは夢に微睡んでいた。
…その夢の内容はかつて、まだ仲のよかった頃の姉と過ごしていた記憶の一部だった。
A『お姉ちゃん!私達のお母さんはどんな人だったの?』
朔夜『それはもう綺麗な人よ。月も恥じらう位にね。
後、とっても優しかった。私にもお父さんにもあなたにも。』
A『私にも?』
朔夜『うん。まだお母さんのお腹の中にいたあなたのことをいつも想っていたわ。
どうか無事に産まれてきますようにって。』
A『…………。』
朔夜『!……ごめんね、A。お母さんに会いたくなっちゃった?』
A『ううん!平気!だって、私にはお父さんとお姉ちゃんが居るもん!お母さんが居なくても、私今、すごく幸せだよ!』
朔夜『A……
私達もよ。ありがとう。』
そこでAは夢から覚めた。
瞼を開けると目の前には涙ぐんだハナビに見下ろされていた。
ハナビ「Aちゃん!!Aちゃん!!」
A「…ん……ハナビ…。」
ハナビ「よかった〜!!Aちゃん、目ぇ覚ましたんやね!!」
A「……何が…起こったんだっけ…。」
ハナビ「えっと…確か、神威はんとその妹が殴り合い蹴り合いしてる所へ烏の翼でも纏ったかのような男が崖から降りてきて…
んで、上空からは春雨の戦艦から砲撃の雨霰が降ってきて…
それに巻き込まれたんや、Aちゃんは。」
A「……そっか…
…!!団長と神楽は…いつっ!(汗)」
ハナビ「アカン!Aちゃんは今朝からずうっと戦い続きで疲れとる上に、怪我もしてるんやで!?血だってぎょうさん流しとる!無理したらアカン!」
A「…ボロボロなのは私だけじゃない…みんな、私達の知らない所で傷ついて苦しみもがきながらも戦ってる。
なのに、私だけ休んでるなんて、ズルいでしょ…。」
ハナビ「Aちゃん…。」
瓦礫の山から起き上がったその時。
神威「人殺しだよ。あの男が俺達の母親を殺したんだ。」
A、ハナビ「!!」
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タンポポ(プロフ) - ありがとうございます!これからも更新頑張ります! (2021年3月3日 8時) (レス) id: 38c3065273 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - めっちゃおもしろかったです!こういう展開めっちゃ好きです! (2021年3月3日 1時) (レス) id: fba69e2527 (このIDを非表示/違反報告)
タンポポ(プロフ) - コメントありがとうございます。頭眩しいは口には出せないことは夢主とハナビにも察しがついていたので、せめて心の中で呟かせました(笑) (2021年2月17日 10時) (レス) id: 38c3065273 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 面白かったです!あの、頭眩しいのとこめっちゃ好きです! (2021年2月16日 17時) (レス) id: 283f5f246a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タンポポ | 作成日時:2021年2月6日 1時