第三節麻倉葉6 ページ35
立香「…君はさ、私がマスターでいいの?」
葉「あぁ。」
立香「たった今、知り合ったばかりなのに?」
葉「でも、アンナに認められたから、ここに来たんだろ?」
立香「え?」
葉「アンナがお前をここに送り込んで、オイラを連れ戻すように言ったのは、お前ならできると思ったからだ。
そして、現にお前はここまでたどり着いて、オイラを見つけた。
十分、すごい奴だ。」
立香「そ、それだけの理由で私を信用できるの?」
葉「できる。アンナが信じるなら、オイラも信じる。」
立香「!…
…え、ちょっと待って。それなら、何も別にここじゃなくてもよくない?」
葉「オイラも最初はアンナにそう言ったぞ。
ヨミの穴は普通の人間はもちろん、大抵のシャーマンでも死ぬか、発狂して壊れる場所だからな。
でも、アンナの奴、それじゃ生ぬるいって言うから、オイラ、ここに放り込まれたんよ。
カルデアのマスターが迎えに来るまで待ってろって。」
立香「ス、スカサハ師匠含む先生サーヴァント組並みのスパルタだ!!」
葉「うぇっへっへっ、アンナは身内にも他人にも容赦しねぇからなぁ。
…でも、厳しいだけじゃなかっただろ?」
立香「!…うん。」
葉「なぁ、もし、よかったら、お前のことも聞かせてくれねぇか?」
立香「!…いいよ。何話そうかな…。」
葉「じゃあ、お前が楽しいと思った話を聞かせてくれ。」
立香「!…それじゃあ…」
立香はマシュやカルデアの皆のこと、これまで攻略してきた特異点のこと、そこで出会った様々なサーヴァントの話を葉に話した。
暗闇で葉の表情はわからなかったが、葉は立香の話にちゃんと相づちを打ちながら、笑ったり、驚いたりしてくれた。
決して質問をしたり、茶々をいれたりはせず、立香の話に素直に耳を傾けてくれた。
話している内に立香の暗闇への恐怖は失せていった。
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作者名:タンポポ | 作成日時:2022年9月28日 13時