第三節麻倉葉4 ページ33
立香「…本当に君、女将の旦那さんなの？」
葉「あぁ。」
立香「…私は藤丸立香。
さっきはひき止めてくれて、ありがとう。ほんと、危ない所だった…。」
葉「いいんよ。それにしても、よくここまで来れたなぁ。」
立香「…君は平気なの？」
葉「ん？」
立香「…ここ、普通の洞窟じゃないでしょ。」
葉「おう。ここはヨミの穴って言ってな、シャーマンの修業場なんよ。」
立香「シャーマンの…修業場？」
葉「あぁ。ここには光も音も届かない。肉体の感覚が奪われて、魂だけ裸にされちまう所なんよ。その状態で出口まで進むんだが、出口までは七日かかる。」
立香「七日！？すっごく長いじゃん！！」
葉「まぁなぁ。」
立香「こんなヤバい所で君はずっと何してた訳！？何でそんなに落ち着いていられるの！？」
葉「んー…オイラ、一度ここに入って、出口まで七日かけて出たことあるからなぁ。」
立香「えぇぇ！？」
その葉の声と一人称からして、性別は男なのは察しがつく。
だが、声の高さからして、恐らく変声期前なのだろう。
だとしたら、間違いなく立香より年下だった。
立香「す、すごいね…君…。」
葉「すごいのはお前も一緒だろ？
カルデアのマスターだっけ？」
立香「！…女将といい、どうして、それを…。」
葉「オイラ、ここでお前のことずっと待ってたんよ。」
立香「！！」
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作者名：タンポポ | 作成日時：2022年9月28日 13時
