第三節麻倉葉3 ページ32
立香はアンナの旦那と早く会うが為にどんどん奥へ奥へと走っていく。
立香(早く…早く早く早く早く!!女将の旦那を見つけなきゃ!!今、私は何とか理性を保ててはいるけど、それはこれまで、色んな体験をしてきたから、何とか持ちこたえているだけなんだ!!
だけど、私は結局人間だから、できないこともあるし、無理なこともある!!
それでも、死ぬ訳にはいかない!!
こんな…こんな所で!!死んでたまるか!!絶対、皆の所へ帰るんだ!!)
立香が無我夢中で走っていたその時…
誰かに右腕を掴まれた。
?「おーい、それ以上行ったら帰れなくなるぞぉ。」
立香「!?誰!?」
腕を掴まれ、驚くのも束の間、その呑気な声に立香は拍子抜けした。
葉「オイラか?オイラは麻倉葉。お前は…」
立香「はぁ…はぁ…。」
葉「…とりあえず、ここから出ながら話そうぜ。」
立香「で、出たいけど、出る訳にはいかないよ…女将の旦那さんを見つけなきゃいけないから…。」
葉「!…女将って、アンナのことか?」
立香「うん…。」
葉「アンナの旦那はオイラだ。」
立香「そうなの!?」
葉「出ながら話そうぜ。帰り道わかんねぇなら、オイラ、お前の手ぇ引いて連れてってやるよ。」
立香「!…それじゃあ、お願いしてもいい?」
葉「おう。」
その葉という少年(?)に手を引かれ、立香は入り口に向かって、歩き出した。
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作者名:タンポポ | 作成日時:2022年9月28日 13時