第二節温泉宿 炎2 ページ22
それから、立香は身を削る勢いでアンナに命じられた仕事を片っ端からこなした。
これまで数々の特異点や異聞帯で戦ってきた立香にとって、温泉宿の仕事は苦ではなかった。
立香(閻魔亭でも働いてたしね。大丈夫、私ならできる。
とは言ったものの…閻魔亭ほどではないけど、ここも広いなぁ…
恐山さん。これまでずっと一人で仕事やってたんだ…。すごいなぁ…。)
アンナ「次、花瓶の水替え。一階と二階、それぞれ合わせて合計六ヶ所あるから。」
立香「はい!」
アンナ「次、部屋の窓拭きね。
一階と二階の部屋の窓を布巾と濡れた新聞紙で全部拭くのよ。」
立香「はい!」
アンナ「次、浴場掃除。」
立香「はい!」
アンナ「次、トイレ掃除。霊はトイレなんか使わないけど、綺麗なトイレの方が誰から見ても悪い気はしないでしょ。
何より、アンタも使うんだし。」
立香「そうですね!直ちに取りかかります!」
一つ終えるとまた新たに追加される仕事に立香は初日というのもあって、さすがに疲れてきた。
立香(お腹すいたなぁ…。)
それでも、鍛えられた根性と体力で、見事、アンナに命じられた仕事を全部終えることができた。
この頃には立香はヘトヘトで立っているのもやっとだった。
立香「はぁ…はぁ…」
アンナ「立香。ちょっと来なさい。」
立香「?」
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作者名:タンポポ | 作成日時:2022年9月28日 13時