第一節おしゃまなシャーマン6 ページ19
女の子はようやく立香に振り返る。
アンナ「あたしはイタコの恐山アンナ。さっきも言ったけど、あたしは別にアンタの為にアンタを助けたんじゃない。
ここでは人間が死ぬと、あの世に成仏できなくなる。そういう所なの。
わかる?
アンタが死ねばここの住人が増えて、ますます面倒になるのよ。
まぁ、客が増えるのはいいことだけど。」
立香「客……あ!そうだった!恐山さん!この町に炎って温泉宿ないかな?私、そこに行きたいんだけど…」
アンナ「なんで?」
立香「えっと…それは…なんて言うか…その…」
アンナ「何?はっきり言いなさい。」
立香「……働きたいんだ。その炎って温泉宿で。」
アンナ「なんで働きたい訳?」
立香「…頼まれたから。」
アンナ「頼まれたからって何?嫌々引き受けたってこと?」
立香「違う。確かに成り行きに近い形ではあるけど…
私にしかできないことがあるから、ここに呼ばれた気がするんだ。
呼ばれたからには、それに応えたいし、最後までやり遂げたい。」
アンナ「…………ついてきなさい。」
立香「えっ?」
アンナ「案内するからついてきなさいって言ってるの。」
立香「ありがとう!」
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作者名:タンポポ | 作成日時:2022年9月28日 13時