37 crystal＊ ページ41
オロチside
「……………！」
家の中に入って驚いた。
中は外観よりもはるかに大きな部屋のつくりになっていた。
螺旋階段があり、壁のようになっている本棚の中には、古本がびっしり積まれていた。
やがて土蜘蛛殿が全員をまとめて言った。
「皆、これからセレスティアルティア族に関する本を探すこととする。少しでもいい、気になる本があれば、Aに聞いてみるんだ。A、なにか心当たりがあったら言ってくれ。」
「はい、ありがとうございます！
あの本は昔お母さんが集めてくれたんです……。確かセレスティアに関するのがあった気がするので、私も探してみます。」
それからは、みんな一冊一冊丁寧に読んでいった。
でもどこにもセレスティアルティア族に関する本はなく、ありふれたおとぎ話だけだった。
「何処にもないな…………。」
「そうですね………。オロチさん、皆さんも
一旦休憩にしませんか？」
「ああ、そうだな。一旦休憩としよう。」
「お茶、淹れてきますね……！」
そう言って、Aは部屋の奥に姿を消した。
「それにしても、手がかりは見つからぬ……。」
「もう、最初からないんじゃないのか？」
「諦めてはダメですよ〜〜！！」
土蜘蛛殿方と話していた時、
「お茶、淹れましたよ〜〜！」
Aが皆んなの分のお茶を運んできた。
足がふらついていて危なっかしい。
「A、私が運んだほうが……… 」
私が言いかけた時、
ドンっ！
「あっ、わっ！？」
「おいっ………！！」
ガッシャーン！
前を見ていなかったのだろう。
Aが前にあった机に気づかずに、ぶつかってしまった。
その反動でお盆からお茶を淹れたカップが滑り落ちた。
「わっ、ごめんなさいっ！」
「派手にやったなぁ〜〜！」
「大ガマ殿………。
A、大丈夫か………？」
私が手を差し出そうと、Aに近づいた時、
「あれは……………？」
先程、Aがぶつかった机に鍵のかかった引き出しがついていることに気が付いた。
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作者名：すみ恋。 | 作成日時：2015年3月21日 13時
