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32 crystal＊ ページ36
〜＊過去編＊〜
ある日、Aはいつもと同じように
お庭の奥で動物たちと遊んでいた。
そんな時、家の方から大きな声が聞こえた。
「Aっ、家に早く入りなさい早く！」
お母さんは今までにないすごい剣幕をしていた。
Aが家に入ると、たちまち外は薄暗くなり黒い雲で覆いつくされてしまった。
「A、これをもって家の裏から出なさい。ここから遠い場所へ。」
その時に渡されたのはクリスタルの付いたコンパクトと１つの鍵だった。
「お母さんは…………？」
Aは泣きそうな表情で言った。
「もう会えないかもしれないけれど…あなたを忘れない…だから……、行きなさい。」
「また………、会えるよね……？」
その時、お母さんは優しい顔をした。
「そう、信じなさい。さぁ、早く！」
Aは言われた通り家の裏口からでると、
後ろを振り向かずに走り出した。
遠くへ、遠くへと__________
それがAを「育ててくれた」お母さんの最後の言葉だった…
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作者名：すみ恋。 | 作成日時：2015年3月21日 13時
