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12 crystal* ページ15

貴女side


えんらえんらさんは私に紫色の着物を選んで
くれた。

私は今まで洋服を着ていたので、着物を着るのは初めてだった。


「Aちゃん〜。できたわよ〜。」

そう言って、えんらえんらさんは私に手鏡を手渡した。

長い髪が頭のてっぺんでひとつにまとめられていた。髪も整えてくれたようだった。


「あっ…。ありがとうございます…!」


「いいのよ〜。とっても似合ってるわぁ〜!」

 
そんな風に会話をしていると、だんだんとえんらえんらさんにいだいていた恐怖心が薄れていった。


そのあと、少しえんらえんらさんとお話していると、


「敬語じゃなくていいわよ〜
もう友達なんだから〜!」

えんらえんらさんはそう言ってくれた。


友達…ですか…………

あれ、なんで泣いてるのかな……?



「ど、どうしたのAちゃん!?
大丈夫!?」


えんらえんらさんが心配そうに覗き込んでくれた。


「いえ…、友達って言われるのが初めてだったから…嬉しくて………


あ、ありがとう………!」


なんだか、自然と笑顔になれた。

そして、「ありがとう」を伝えないといけない人がもう一人。


「ふふっ、さぁAちゃん、みんなが待っているわ〜。いきましょ〜!」



緊張する………、オロチさんはどんな反応するのかな。


「うん、えんらえんらさん!」

私は自ら扉を開けた。

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作者名:すみ恋。 | 作成日時:2015年3月21日 13時

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