Red geranium

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ab side



佐久間の…お願い…？？


滅多に俺にお願いなんてしてこない佐久間が何を言い出すのか予想も出来ず、落ち着かない。




ab「いいよ、佐久間のお願いなら出来る限りの事はするから」




sk「………俺の…









俺の傍にずっと一緒に居てほしい…」




ab「え？？」




え、そんなこと…？


言い方は悪いかもしれないけどそう思った。


一緒に居て欲しいなんて、むしろ俺の方からお願いしたいくらいで。




sk「また家に戻って一人の生活に戻ったらって考えたら怖くて怖くて………


ごめん、迷惑だよね。でも阿部ちゃんを困らせる事はしたくないからさ、嫌だったら嫌ってはっきり言ってほしいの。だって、阿部ちゃんはいつだって俺が困らないようにって気を遣ってくれて───」




ab「そんなことないよ？俺も佐久間といると楽しいよ。というか、気遣ってるのは佐久間の方なんじゃないの…？？」




sk「……え、本当に…？？」




ab「うん、ずっと傍にいるよ。約束する」




sk「阿部ちゃん………」




ab「ふふっ、俺が佐久間と一緒にいることを拒むわけないじゃん」




sk「本当…どこまで優しいの？阿部ちゃんは…」




高校を卒業して以降の佐久間のいない日常は、酷く退屈で、何の面白味もないものだった。


あの時、俺から想いを伝えておけば…と何度後悔したことか。


またこうして神様が巡り合わせてくれたんだから、もう佐久間のいない世界なんて考えられない。




ab「……佐久間にだけだからね？」




そう小さな声で呟いた俺の声は、外を走る車の音に掻き消される。

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