Red geranium

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sk side



阿部ちゃんが膝をポンポンしだすから何かと思えば




ab「ほら、佐久間おいで。ここ座ってよ」




阿部ちゃんに促されポスっと膝に座ると、後ろから腕が回されて抱きしめられる。




目が見えるようになったことを知ったら驚くかな、ツンツンしだすかな、なんて思ってたんだけど全部逆だったな。




sk「阿部ちゃんはさ、俺の目が見えるの気付いても驚かないけど、あんまり嬉しくない…？」




ab「そんなわけないでしょ。嬉しいよ。すごい嬉しい…」



そう言って阿部ちゃんが俺の左肩に顔を埋めてきた。


無言で阿部ちゃんの腕を握り締めると、阿部ちゃんが顔を埋めてる方の肩がジワっと温かくなってきた。




sk「あべちゃん…？泣いてる？」



ab「泣いてない…」




そう言いながらも鼻を啜っていた。




sk「…やっぱり泣いてるじゃん…」



いいじゃん別に。なんてぼやきながら、阿部ちゃんが顔を上げる。


俺が膝から降りると、どこに行くの？と潤んだ瞳で見つめてくるもんだから可愛くてしょうがない。


向きを変えて、今度は阿部ちゃんと向かい合う形で膝の上に座る。


額を合わせて見つめれば、サラサラな前髪の隙間から覗く瞳はゆらゆらと揺れていて。




sk「阿部ちゃん…変わんないね、昔と。」





ab「そう…かな…？」





sk「うん、出会った時から何にも変わってない。めちゃくちゃ可愛い。」




ほら、そうやって照れて目を逸らす阿部ちゃんもすごく可愛いんだよ。


堪らなく愛おしくなって、両手で顔を包み吐息を注ぐ。



ab「んっ……さ、さくまぁ…」




不意打ちのキスに俺の名前を呼びながら顔を赤らめるけど、全部阿部ちゃんが可愛いのが悪いんだよ？




sk「にゃはは、可愛い。…俺、あべちゃんと居られて幸せだな。もう離れらんないや」




ab「俺も……。さくまとずっと一緒に居たい…」






俺と阿部ちゃんの間に甘ったるい一時が流れる。

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