Red geranium

30 ページ22

sk side



ん……



下腹部の異物感で目が覚めた。




……あ。そうだった……昨日。




無理させちゃったかな……




普通突然あんなお願いされたら断るだろうに、いいよって言ってくれる君はどんだけ優しいの？？




……にしても、昨日の阿部ちゃん本当かっこよかったな……もっと惚れちゃったかも。




ギャップ萌えってやつ？？








───馬乗りした状態のまま、阿部ちゃんの心地よい心臓の音に耳を澄まし、そんなことを考える。









ん……そう言えば今、何時だろ…








時計に目をやるとまだ朝の7時だった。








・







・








・









・









オヨヨヨヨ？




え、待って待って。




俺…時計読めてない……？？




状況が飲み込めない俺は、軽く脳内がパニックに陥る。




うっそ！？え、もしかして完治してる……！？




何度も目を擦って見るけれどやっぱり変わらなくて。




…時計が完璧に読めるんだけど………嘘でしょ。




まさかとは思ったけど…本当に、本当に阿部ちゃんのおかげじゃん……




阿部ちゃんのキスで視力回復するとか非現実的すぎて正直自分でも半信半疑だった。




気のせいだろうな、なんて思ってたけど…本当に阿部ちゃんのお陰で治っちゃったよ…どうしよう。




命救ってもらって我儘まで聞いてもらって、おまけに視力まで回復してくれた……




どんなお礼をすればフェアになる…？？




いや、こんなの何をしてもフェアにするのは無理でしょ。




とりあえず阿部ちゃんに教えなきゃ……！！！！

31→←21〜29 (+ひとこと)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す