Red geranium

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ab side



sk「阿部ちゃん阿部ちゃん！」



ab「ん？どうした？？何か良いことでもあったの？？」



sk「それがねぇ、あったんだよ…！良いことが。





驚かないで聞いてほしいんだけどさ…




本当ちょっとなんだけど、ほんの少しだけ目が見えるようになったの。




まだ視野は超狭いけどね」









ん？今なんて…？？


ほんの少しだけ目が見えるようになった？？


本当に？？？


でも何で突然…？？？


何がきっかけで？？？


そんなことを聞いても本人も分かるわけないけど…




ab「え！！！本当に！？！？」




sk「本当。朝起きたら、少し見えたんだけど…幻覚かなって思って。でも今も見えるの」




ab「うぅ……良かったね…佐久間…」




sk「阿部ちゃん！泣かないでよ笑」




嬉しさのあまりに鼻をずるずると啜りながら泣いてしまう。




ab「どのくらい見えてるの？？」




sk「今までは全く何も見えない、真っ暗闇な状態だったんだけど、今朝起きたら少しの明かりと……物の輪郭とか、何とな〜く見える程度まで。

まあ殆どぼやけててよく分かんない感じだけど…

太陽の光とか、照明の明かりが分かるだけで感動しちゃったよ…笑

でも肝心の人の顔とか細かいものは、近付いてもぼやけまくってて全然見えないんだけどね」




───そうか、今までは何一つ見えない真っ暗闇だったんだ……


そんなの不安になっちゃうに決まってんじゃんね……


佐久間は強いな…自分だったらそんなの耐えらんないよ…


俺が佐久間を守らなきゃ───




ab「……でも、そんな突然治ることなんてあるんだ」




sk「完治ってわけじゃないけどね。俺も驚いてる。ただ、一番見たい阿部ちゃんの可愛い顔が見えなくて残念なんだよね〜」




さらっとそんなことを言ってのける佐久間に驚いたが、快方に向かっている事が嬉しすぎてそんな事どうでも良かった。


でも本当何がきっかけで見えるようになったんだろう……


きっかけさえ分かれば、もっと順調に回復出来そうなんだけど…。

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