*First Step* -今度こそ踏み出すために-

~番外　ハロウィン特別編　１~ ページ1

「うわああ、Aやんめっちゃかわええやあんっ!!」
マリエールさんが歓声を上げた。
「恥ずかしいです……。」

とは言いつつも、実は内心嬉しかったり。
いや、服の効果だとは分かっているけども！

「えー、でもほんまに似合っとるわあ！小悪魔アリスやなー」
今日はハロウィン。
三日月同盟では、というか街全体がお祭りムードで盛り上がっている。

そして、ギルドメンバー全員仮装しちゃったのだ。用意したのはヘンリエッタさん。うん、少女趣味って素敵ですよね。
マリエールさんは自身のチャームポイントを存分に生かした、胸元の開いた魔女服に身を包んでいる。おかげで小竜さんあたりの隠れマリエールさんファンは流血(勿論鼻から)騒ぎを起こして、ハロウィンらしく屍が増えていくことになってしまった。

ちなみにわたしのはアリスはアリスでも、若干ゴスロリ調の黒アリスだ。
女の子が大好きなフリルがたっぷり使われている上、スカート部分はふんわりしたパニエになっている。
普段体型をコートで隠すわたしとしては露出度の高い服装だ。マリエールさんには及ばないけれど。

クラシカルロリータ調の本家寄りアリスは、セララちゃんが着用している。

「へへ。Aちゃん、どうかな……」
「かわいい！すっごくかわいいよ！セララちゃん！」
「ありがとう……！Aちゃんもお揃いなのは嬉しいな♪」
「うん！わたしも！」

ねーっ！と二人で笑い合う。

で、今いるのはもはや女子の更衣室と化したマリエールさんの部屋。男子は小竜さんのとこだったかな。

「さ！セララは班長に、Aやんはソウジロウに見せに行き！」

自分の罪を知らないマリエールさんが、まるで当たり前かのごとくさらりと言った。

「「え!?」」

ぼん、と音がしそうな程、二人仲良く赤く顔が染まった。

「え、うええ!?な、なんでにゃん太さんにいい……」
「こんな姿ソウジロウ君に見せられな……って、そもそも何でソウジロウ君にっ」
「自分が一番分かっとんのとちゃうかなー？」
にんまりと笑うマリエールさん。

……今度絶対マリエールさんの好きな人探し出してやる。

「……まあ、そう言うと思ったで！特別ゲストをお呼びしております！」

嫌な予感しかしなかった。

〜番外　2〜→

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