KINGの家の風邪物語2 (ページ40)

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紫耀サイド

あぁ、廉が居てくれたら…

なんとか抑えて麻酔を打ってもらった。

海｢うぇぇぇん……ゲホゲホッ……ジュルジュル｣

熱がある中暴れたからか、かなりぐったり。

もはや放心状態。

海｢ゲホッ……｣

鼓膜を切開する頃には抵抗する体力すら残ってなかったおかげで、なぜかやたらスムーズだった。

飲み薬と、耳に入れる点耳薬を出された。

点耳薬とか…大人しくやってくれるかめっちゃ不安…

病院を出る頃には泣き疲れてぐったり眠ってた海人。

そのまま昼過ぎまで眠ってた。

紫｢海人、お粥さん食べる？｣

海｢食べる〜？｣

紫｢食べようか。｣

海｢パッチンします…｣

まだ熱もあるし、寝起きなこととあってボーッとしてるけど、食欲はあるのかな。

結局半分くらい食べてごちそうさまをした海人。

さて、今からが大変だ。

飲み薬をゼリーと一緒になんとか飲ませて、難関の点耳薬。

紫｢海人、お耳にお薬入れるよ？｣

その一言で分かりやすく引つる表情。

紫｢痛くないよ。お水ポッタンするだけ。｣

海｢……しませんっ…｣

紫｢しないとまたお耳痛くなっちゃうよ？｣

海｢しませんっ…ポイッ…捨てるっ…｣

嫌がりながら、身体が震えてる。

よっぽど耳鼻科での治療が怖かったんだろうな…

紫｢痛くないよ？大丈夫だよ？｣

海｢捨てるっ…捨てるっ…ゲホッ｣

紫｢頑張ってみよう？お耳痛いの嫌でしょ？｣

海｢嫌でしょっ？｣

海人の震える身体をさすりながら抱っこで落ち着かせる。

紫｢大丈夫だよ。よしよし。｣

海｢ひっく……ひっく……ジュルジュル｣

紫｢海人の心の準備ができたらでいいからな？｣

海｢……します…｣

え？今なんて？？

しますって言った？

紫｢お薬入れていい？｣

海｢入れていい？ひっく…ひっく…｣

紫｢じゃあ、お兄ちゃんのお膝に頭乗せて？｣

そう言うと頭をのせてくれた。

左耳を上にして寝かせると大人しく待ってる。

まだ少し身体は震えてるけど。

紫｢じゃあ、入れるよ。……はい、おわり。｣

海｢おわり？｣

紫｢うん、終わったよ。痛くなかったでしょ？｣

海｢痛くなかったでしょ？｣

意外にも痛みがなかったことに拍子抜けしたのか、ポカンとしてる海人。

紫｢よく頑張りました。｣

海｢頑張りました。｣

無事点耳薬を乗り越えた海人。

……

その後は、点耳薬を怖がることなく毎日ちゃんとやれた。

頑張ったおかげで1週間後には中耳炎も鼻風邪も良くなった。

聴力も問題ないみたい。