KINGの家の風邪物語2 (ページ37)

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紫耀サイド

病院に着くと、看護師さんに背中をさすられながらゲェゲェ吐いてた廉。

かなりしんどそう。

看護師さんと交代して背中をさすってやると、ポロポロ泣き出した。

体調悪くて、すごく心細かったんだろうな。

昨日も本当はすごく寂しかったんだろう。

海人も一生懸命廉の背中をなでてる。

海人なりに廉を心配してるんだな。

少しすると吐き気が落ち着いたのか、ウトウトし始めた廉。

紫「眠たかったら寝ていいよ。」

廉「寝たら…帰ってまうやん…」

紫「まだ居るよ。」

廉「でも、面会時間終わったら帰るやろ…？」

紫「そのときはちゃんと声かけるから。」

廉「いやや…帰らんとって…ゲホッ」

紫「そっか…」

明日は土曜日で海人も学校休みだし、俺も仕事が休みだ。

小児科だから付き添いで泊まることできそうだから、今日は海人と一緒に付き添いで泊まるかな？

紫「じゃあ、おにいちゃん達も今日は泊まろうかな。」

廉「え、ええの…！？ゲホゲホッ」

紫「うん、明日は学校も仕事も休みだしね。」

廉「やったぁ…！ゲホゲホッ」

それから廉は少し甘えん坊モード。

消灯時間になり、海人が眠った頃。

急に泣きそうな声で

廉「おにいちゃん…」

紫「どうした？」

廉「俺、死なへんよね…？」

紫「死ぬわけないじゃん。どうした？不安になっちゃった？」

廉「なんか全然熱下がらへんし、さっきも吐いてもうたし…俺…おにいちゃんと海人にもう会えなくなったらって思ったら不安になってん…ゲホゲホ」

紫「大丈夫だよ。ちょっと風邪を拗らせちゃっただけだから。ちゃんとお薬飲んで安静にしてたら治るよ。」

廉「うん…ゲホッ…おにいちゃん…手つないでて？」

紫「いいよ。隣で寝ようか？」

廉「看護師さんに見られたら恥ずかしいからそれはいい」

紫「そっか笑」

廉「ゲホッゲホッ…はぁ…しんどい…」

紫「背中さするよ。」

手をにぎりながら背中をさすってやると、幼い顔してスースー眠った。

……

あれから数日入院し、ようやく退院することができた廉。

もうあんなしんどい思いはしたくないよな。

しばらく咳が残っててしんどそうだったけど、少しずついつもの生活に戻るといいね。