KINGの家の風邪物語2 (ページ29)

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紫耀サイド

ピピピ…

鳴った体温計を見ると、思ってなかった数字が…

とっさに隠そうとしたら、海人に取られた…

海「さん、なな、なな！」

読まれた…

廉「え、熱あるやん！」

紫「あはは…あったな。」

廉「しんどいんやろ？寝とき？片付けとかは俺やるし！」

紫「大丈夫だって、これくらい全然平気だし…」

廉「食欲もないんやろ？ご飯全然減ってへんやん。」

紫「あ…」

廉「お兄ちゃん、いつも無理しすぎやねん。薬飲んで部屋で休んでき？」

紫「あ、でも…」

廉「海人、今日は俺とお風呂入るもんな〜」

海「入るもんな〜！」

廉「せやから、安心して休んでや？」

廉に言われて仕方なく薬を飲んで自分の部屋へ。

弟に心配かけてるようじゃダメだなぁ…

そんな事を思いながらベッドに転がるといつの間にか寝てたみたい…

目が覚めたら夜の12時。

俺、寝てたんだ…

おでこを触ると冷却シートが…

そして、サイドテーブルにはお水と手紙が。

『ゆっくり休んでね』

廉の字で書いてあった。

その隣には鏡文字になってる『かいと』という文字

紫「ありがとうな…」

海人の部屋を覗くと、ぐっすり眠っていた。

寝かしつけまでやってくれたんだな。

廉の部屋を覗くと、廉もぐっすり眠ってた。

ずいぶんしっかりしてきたな…

俺はあったかい気持ちになりながら、再び眠った。

……

朝起きたら熱もすっかり下がって、咳もほとんど出なくなってた。

キッチンに行くと、食器はキレイに洗ってあった。

床が水浸しなところをみると、かなり必死にやってくれたんだなって感じる。

朝ごはんを作って、海人と廉を起こしに行く。

紫「手を合わせてください」

海「パッチン！」

紫「いただきます」

廉「いただきます」

海「いたーだきます！」

紫「廉、昨日はありがとうな。」

廉「もう体調はええん？」

紫「おかげで熱も下がったし、絶好調だよ。海人もありがとうな。」

海「な！」

こうやって平和な朝っていいよね。

みんな健康が一番。