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時生と喧嘩した日。
くだらねぇ意地が邪魔して、いつもの溜まり場に行く気にはなれず、どうすっかな。と宛てもなくただ適当に街を歩いた。
何となく吸い込まれる様に進んだ先は、秋を感じさせる杉の並木道だった。
木に沿う様に置かれたベンチ。
俺みたいに暇そうにしてる奴が結構いるもんだな。と、品定めする様に見渡した。
そんな視線を捉えれば、そこにいた奴らはみんな、逃げるみたいにその場を去って行く。
「逆に、気持ちいいぜ。」
そこそこいた人数は、数えられるくらいになり、「んだよ。」と小さく悪態をついて、ベンチに勢い良く腰を下ろした。
口元がさみしくなり、タバコに火をつけた。
目の前に漂う煙が消えれば、また吸い込んで、それを吐き出した。
それを何度も繰り返し、目の前の情景に目を向ける。
こういう時間もいいなと思った時、俺の意識を一番引き込んだのは、今座っているベンチに向かい合う様に置かれるそれに座る女だった。
茶色がかった髪が、木漏れ日が揺れるたびに輝いて見える。
白く伸びる足と、溜息とともに上げられた顔に思わず息を飲んだ。
知らぬ間に灰となっていたタバコが重力に負け、痛いくらいの熱さを足に感じた。
イライラした気持ちを抑えきれず、かすめたそこを力一杯にこする。
数個の足音が、並木道の奥から聞こえ、その音が止まった先に目を向ける。
さっきまで見えていた女は、群れとなったチンピラに見えなくなっていた。
クソみたいな口説き文句に笑いのツボをくすぐられる。
女の前で揺れる影の隙間に、一瞬だが、確実に視線を捉えた。
高鳴る鼓動に、苦し紛れに目を逸らす。
それでも、興味は未だそちらに向いたまま。
「私、」
初めて聞く女の声に盗み見るのを止める。
「私、エイズだけど、それでもいい？」
その言葉に、そこにいた男どもは驚きを見せ、
こじつけの理由を述べて、消えて行った。
その後を、「残念。」と言って見つめる女の顔は笑っていた。
綺麗に。
見惚れる俺と重なった視線を、慌てて逸らし、もう一度タバコに火をつけた。
遠くで時々重なっていた目は、今度は近くで俺を見下ろしている。
「ねぇ。私のこと見てたでしょ。」
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meg - とてもおもしろいです！ この続きが気になります！！更新頑張ってください、楽しみにしてます！ (2016年8月15日 12時) (
レス) id: 132a1b9566 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜三日月(プロフ) - とても面白いです！続きが気になります！更新頑張ってください！ (2016年6月19日 20時) (レス) id: 8883c94f0d (このIDを非表示/違反報告)
豹王 - 面白いですね^ ^続きがとても楽しみです！！更新頑張って下さい(*´∀`*)待っています〜。 (2014年11月23日 19時) (レス) id: 05a4913f96 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - 智崋＠森早下さいさん» ご指摘ありがとうございました。 (2014年9月16日 8時) (レス) id: fa4bb1b6c6 (このIDを非表示/違反報告)
智崋＠森早下さい(プロフ) - すみません、オリジナルフラグを外さないといけませんよ汗 (2014年9月15日 23時) (携帯から) (レス) id: e2044727cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Misaki x他1人 | 作成日時：2014年9月15日 21時
