彼女と彼と彼 ページ35
赤葦side
薬でまだ起きないはずなのに。
でも確かに、彼女の目は開いた。
ぼんやりとこちらを見上げ、上体を起こす。
「京治？ 私どれくらい寝てた……待って今起きるから……」
「無理しないで。そんなに寝てないから。……それと、」
本当は寝ている彼女を見せてそのまま帰ってもらう予定だったが、こうなったら仕方ない。
動揺してるのか、
「お客さん。」
後ろを向いた彼女の表情の変化は、俺にはわからなかった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
国見side
まだ心の準備もできていないというのに、彼女は振り向いた。
こちらを見て大きく目を見開き、口を動かす。
声こそ聞こえなかったものの、ニュアンスはなんとなくわかる。
(……まあ、なんで、とか、どうして、だろ。……そんなの、)
「…………心配だったから。大丈夫か？」
「ああ、別に大丈夫……？」
まだ驚いているのか、俺の言ったことをおうむ返しに繰り返す彼女。
やはり俺の知っているあいつとは少し違う気はした。
賢く、抜け目なく、どこか冷めていて、
……でも仲間にすれば悔しいことに心強かったあいつとは。
あいつのどこかに見えた、不安定さと儚さは残っているが。
「いつか振りだね、国見。元気？」
「別に普通。それよりお前は？ 何があったんだ、あの日？」
「あの日…………？」
またおうむ返しに俺の言ったことを繰り返し、
……目をカッと開いた。
「……あ、あぁ、あの日、あの日は、」
「！！ A、落ち着いて……」
細い声で急に呟きはじめると同時に、赤葦さんがイスから立ち上がる。
「あの日、治安部隊との交戦のとき、あの日、あの、日……」
「おい、如月……」
「あの話になる度にパニックになるって言っただろ。A、落ち着いて、これを飲んで。」
苛立ったように言う赤葦さんの手には水の入ったグラスと錠剤が。
「……っ、また眠らせるんですか。」
「こんな状態じゃ話せないだろ。」
「眠らせても何の解決にもならないじゃないですか。」
「……組織のために何か情報を得たいのかもしれないけど、Aの身体に障ることはしたくない。」
もはや睨み付けるようにそう言われる。
…………組織のため？
「…………なんだそれ。」
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えま(プロフ) - えぬえぬさん» ありがとうございます！！ 久々の更新ですがよろしければ読んでやってください！ (2018年2月26日 21時) (
レス) id: 8f82649d25 (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - tamaさん» ありがとうございます！！ 亀更新すみません…… (2018年2月26日 21時) (レス) id: 8f82649d25 (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - 無気力ガールさん» ありがとうございます！！ 更新しましたのでよろしければ読んでみてください！ (2018年2月26日 21時) (レス) id: 8f82649d25 (このIDを非表示/違反報告)
えぬえぬ - すごくこの作品好きです！ 更新頑張って下さい (2017年10月29日 12時) (レス) id: 6c842c63e8 (このIDを非表示/違反報告)
tama(プロフ) - この作品とっても面白いです！！更新頑張って下さい！！ (2017年6月28日 4時) (レス) id: 04d6b2d3d3 (このIDを非表示/違反報告)
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