記憶 ページ22
白布side
独特の音を発しながら、ビルから離れていくヘリコプターを呆然と見ていたが、我に返った。
「……撃ち方やめ！ もう当たらない。」
例え当たってヘリが落ちたところで、“生きたまま捕まえる”という目的は果たせなくなるのだから。
「っ、すみません！！ ヘリに乗ってたやつら捕まえようとしたんですけど……」
後ろから唐突に響いた声に振り向くと……
「……いや、どちらかと言うとお前の方が優勢だっただろ、五色。」
あと、あともう少し攻めていたなら捕らえられただろう。
(……でも、“なら”なんて事は起きない。四人目は逃げた。)
何か痕跡は残ってないかとヘリの発った後に近づくと、人を掻き分けて男が出てきた。
……媚びへつらうような目をした男が。
「逃がしてしまったんですね。……でもそれは私の責任ではありませんよね？」
“捕らえるのはあくまでそちらの仕事であったはずです。”
なんて、いけしゃあしゃあと言う。
そして男は、後ろにいる五色の発した殺気にも気づかず続けた。
「ですから……約束は守って貰えるんですよね？」
(……あー、そう言えばそういう条件だった。)
こちらの要求を飲む代わりに、
「……治安部隊の幹部に、でしたね。」
そう言った途端、男の顔にわかりやすく喜色が浮かんだ。
……けれど。
「……俺の出した条件は“無傷で四人目を捕らえる”です。撃たれてましたね、四人目は。よってこの話はなしとなります。」
言われた意味がわからないとでも言うように、ポカンとした顔をしている男を一瞥して屋上を後にする。
しばらくして後ろから怒鳴り声が聞こえ…………そしてすぐに静かになった。
(……まあ、成功していようが幹部になんかなれなかっただろうけどな……)
ただ、アイツを釣るための餌のようなものだったのだから。
エレベーターの前まで来たとき後ろから聞こえてきた足音に振り返る。
「……っはぁ、はぁ、……白布さん！！」
息を切らした五色だった。
「何だよ。」
「……何であんな言い方だったんですか？ 白布さんなら、もっと上手く誤魔化せたと思うんですけど……」
“アイツ、暴れて大変でした。”
(……確かに適当過ぎた。“その件はまた後日”とか言っておけばよかったのに。)
…………でもそんな余裕はなかったのだ。
「……悪い。先戻る。」
……あの目だ。
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えま(プロフ) - えぬえぬさん» ありがとうございます！！ 久々の更新ですがよろしければ読んでやってください！ (2018年2月26日 21時) (
レス) id: 8f82649d25 (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - tamaさん» ありがとうございます！！ 亀更新すみません…… (2018年2月26日 21時) (レス) id: 8f82649d25 (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - 無気力ガールさん» ありがとうございます！！ 更新しましたのでよろしければ読んでみてください！ (2018年2月26日 21時) (レス) id: 8f82649d25 (このIDを非表示/違反報告)
えぬえぬ - すごくこの作品好きです！ 更新頑張って下さい (2017年10月29日 12時) (レス) id: 6c842c63e8 (このIDを非表示/違反報告)
tama(プロフ) - この作品とっても面白いです！！更新頑張って下さい！！ (2017年6月28日 4時) (レス) id: 04d6b2d3d3 (このIDを非表示/違反報告)
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