過去と夢 ページ20
Aside
薄暗い部屋。
何かがカビたような臭い。
すきま風の入る窓。
(…………あぁ、これは、夢だ。)
本当に、ろくでもない夢であり、
…………私の現実だったものだ。
――――――――――――――――――――――――
……京治が居なくなってからの私の日常は、ろくでもないものとしか言いようがなかった。
元から社交的とは言いがたかったし…………あの孤児院で生活する人間が社交的になれるはずもなかった。
それでも、“人として”生活はしていたのだ、私は。
……異変に気づいたのは、京治が居なくなってから2年程過ぎた辺りだった。
7才になったばかりの私は、
…………毎日孤児院に新しい人が来るのに一向に人が増えた感じがしないことに気づいた。
注意して見ると、新しい人が来るのと同じ時期に元から居た人が減っているのがわかった。
……年が上の人から、順々に減っているのがわかった。
“――テ！ ――レタ―ド―ハ、――ニ――カ――ナイ……ナレナイ……”
頭に声が響く。
亜麻色の髪をした、１つか２つ歳上の子の声。
…………ある日、金持ちの家が子どもを一人に引き取りに来た。
そして、私から見ても綺麗な顔立ちをした少女が引き取られていったのだ。
……亜麻色の髪をした彼女が。
(……何も思っていなかった……仲がよかった訳でもない。それに、)
……いい家に引き取られたのなら、ここよりもいい生活ができるだろうと、あの子の未来は良いものになるのだろうと、
思っていたのだ。
……その予想がまるっきり外れたのを知ったのは、それから更に１年が過ぎた頃だった。
「あらまあ！！ お久しぶりですね、○○様！ 今日は何の用で？」
甲高い院長の声と共に入ってきたのは、
「……あの子だ。」
１年前に引き取られたあの子。
綺麗な洋服を着て、あの綺麗な亜麻色の髪を軽く巻いた彼女は相変わらず可愛らしかった。
ナントカ様が院長と一緒に奥に引っ込み、その子一人になる。
それをただただぼんやり見ていた私と、彼女の視線が偶然絡んだ時。
…………彼女の顔が歪み、
………………そして彼女がこちらに走ってきたのだ。
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えま(プロフ) - えぬえぬさん» ありがとうございます！！ 久々の更新ですがよろしければ読んでやってください！ (2018年2月26日 21時) (
レス) id: 8f82649d25 (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - tamaさん» ありがとうございます！！ 亀更新すみません…… (2018年2月26日 21時) (レス) id: 8f82649d25 (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - 無気力ガールさん» ありがとうございます！！ 更新しましたのでよろしければ読んでみてください！ (2018年2月26日 21時) (レス) id: 8f82649d25 (このIDを非表示/違反報告)
えぬえぬ - すごくこの作品好きです！ 更新頑張って下さい (2017年10月29日 12時) (レス) id: 6c842c63e8 (このIDを非表示/違反報告)
tama(プロフ) - この作品とっても面白いです！！更新頑張って下さい！！ (2017年6月28日 4時) (レス) id: 04d6b2d3d3 (このIDを非表示/違反報告)
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