２次元の彼らは３次元にやってくる[UTAU]４

164話 ページ38

楓「………」



人間は何故、簡単に命を投げ出すのだろうか。



そう考えてみる。



人間は簡単に死ねと言う。


自分達が持っている死への感情を忘れ、他者に死ねと、命を投げ出せと簡単に言うのだ。



嗚呼、人間ってこんなにも愚かなのだろうか。



そう思うと、昔の私が完璧な人間へと目指してきたことに後悔する。



徐々に私は人間ではなく化け物へと近づいていた。



人間という醜いものは化け物を醜いと言う。



では化け物は人間を醜いと思うのだろうか。


そう呟くのだろうか。


死への恐怖がない。化け物となって生物を脅かした私は、本物の化け物なのだろうか。




キハク「君も、僕と同じ化け物になれたね！」




その声が聞こえた途端、こう私は思った。



ああ、私やっと、こんな醜い人間、愚かな人間を辞めれた。




これから私は化け物として、可愛い純粋な者達の目の前に現れる。


その事を思うとゾクゾクとする。



とても嬉しい。



嗚呼、次はどんな死に方をしよう。



生き地獄もいいなぁ…



ふふっ…最も酷く、苦しい死を。

　

私は望む。



ねえ、あかり。



人間ってね、自分達が恐れている化け物になれるんだよ。



皆私の死に方をみてどう思ったのか聞きたい。



私の死は私が化け物になれる合図だったのか。



あはは、なんとも酷い話だ。



楓「キハク」


キハク「なあに？」


楓「次は凄く酷くて痛くて辛い死を望むよ。私の願い、叶えられるでしょ？」



キハク「もっちろん！」



あかりもインク君も、何で死を望まないんだろう。


死は逃げだなんて考えてた私は馬鹿で愚かだ。



死は救済でもない。


死をすることで生きることから解放される。



化け物として扱われた人間の私から


そして私はもう解放された。


人の死に悲しまなくてもいい。


偽物の私なんざ要らない。



嗚呼、もう本物の私がわからない。


人が他者の死を望んだのに、いざその人が死んだら悲しむ。


とても愚かすぎる。


雛羽は少し変わった人間だ。



貼り付けた笑顔を最後までつけたまま、礼儀もしっかりと最後までやる。



あんな人間初めてだったから、偽の私は馴染みにくかっただろうに。



あかりはとても明るい人間だったな。



他の者とおなじ様なやつと最初思っていたが



私が間違った事をに全力で正せようとしてきた。

私もそのつもりで言った。

骨達はまあ、ほとんど私は絡まなかったしな

嗚呼、クソな人生だった。

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