顔を覗かせる不安。 ページ4
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泉「でかっ…!!」
関向「こぇえ!!」
日向「ひっ……!!」
A「(やっぱ強豪、良い人材揃ってるな…!こりゃちょっと厳しいか…)」
ははっと声を出して笑いを浮かべるAだが、その笑い声も心なしか乾いている
A「(こいつらが一回戦目の相手。別にウチの選手たちに文句があるワケじゃない、貶すワケでもない…。
けど実際、勝てるかどうか…今回ばかりは分かんねー…)」
そう、別に文句を言いたい訳ではないが本当のことなのだ。
日向以外の選手はまだまだ素人同然の1年生3人と違う部活から急遽ヘルパーとして来てくれた素人2人
もちろん一朝一夕で上手くなれる訳もなければ、わざわざ違う部の試合に出てくれる人もいない訳なのでその点については感謝の念も忘れない
しかし5人がほぼ素人まがいであるこの"チーム"をコートの中で、プレーで引っ張り相手と戦うのは日向1人だけである
思考を巡らせて必死に打開策を考えても
休憩中に足や首筋などに氷を当てて疲れを軽減させても
声が枯れるまで応援してもそれは変わらない
どれだけAが頑張っても男子の試合に女子が出ることなど許されないのだ
A自身それは分かっていたことであり、それが差別ではなく規則であるからこそAは自分の無力さを痛感し、そんな自身が腹立たしかった
A「(サポートしてやるなんて偉そうなこと言っておいて結局何も出来てないじゃないのさ…)」
関向「いや…ぅおぉい!こんな時に静かになんなよ!! お前ら性に合わないんだよ!
それにビビるだろ!!」
泉「それは後者の理由が大半を占めてるよね…。まあ緊張するのは分かるケド…」
日向の肩を持ちガクガク振る関向と胸に手を当て顔を青くしている泉、緊張で震える1年生たちを交互に見てAは口を開く
A「うるさい、勘違いしないで、ちょっと考え事してただけだし。翔陽と違って緊張とかそういうのではないから」
それに対して「あーそーかよ」と関向、「相変わらずクールだなぁ」と泉が言葉を発する
顔を青くしてお腹をさする日向を一瞥してAは声をかけた
A「ん、翔陽もっかいトイレ行ってきな。万全の態勢で挑まなきゃ負けちゃうよ」
日向「おう……、行ってくる…」
ギュルルルルと鳴ったお腹をさすりながら再びトイレへ向かう日向の後ろ姿を見て、Aの心配は尚膨らんでいく
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御子柴(みこしば)。(プロフ) - 鏡さん» コメントありがとうございます!ずっと更新停止状態だったのでがんばります…! (2020年8月25日 19時) (レス) id: 8b09ea4f12 (このIDを非表示/違反報告)
鏡(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張ってください! (2020年8月15日 20時) (レス) id: 37e8b92374 (このIDを非表示/違反報告)
新橋浅葱(プロフ) - 京陽竜さん» いえいえ、こちらこそ描かせて頂き有難うございます。楽しかったです(*^^*) (2018年4月13日 17時) (レス) id: edfaf732fa (このIDを非表示/違反報告)
京陽竜(プロフ) - 新橋浅葱さん» ありがとうございます〜! ぜひ紹介させていただきます! 本当にありがとうございました(*´▽`*) (2018年4月13日 15時) (レス) id: 0c7e83fa2a (このIDを非表示/違反報告)
新橋浅葱(プロフ) - 京陽竜さん» 喜んで貰えて良かったです。 イラストはどうぞご自由にお使いください。 (2018年4月13日 12時) (レス) id: edfaf732fa (このIDを非表示/違反報告)
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