第130話 ページ33
「御国と、Aは?」
「先ほど、別れました。」
Aは、逃げ出してたよな。
「御国さんが近くに来ていたことを隠していたのは謝ります。
あのまま、車を読んで帰宅してもよかったのですが、
家で一人荒れるより、お友達と一緒のほうがいいと思いまして。」
リリイが、申し訳なさそうに言った。
「それより御園、
来月のお小遣い、少し前借できませんか・・・・。」
「計画的に使えといつも言っているだろう!!」
お小遣い制なんだ。
「城田、さっきは取り乱して悪かった。」
「いや、いいけど。」
「御国は七年前に家を出ていて、
Aは、八年前に行方知れずになっていた。
僕も、あったのは久しぶりで。
僕には、絶対に御国を許せない理由がある。
Aを探していたのにはわけがある。
だが、ぞの理由を人に話す準備が、僕にはまだ・・・・。」
それだけ言うと、ばたんと倒れてしまった。
「おや、いけません。
もう9時ですか。御園が寝る時間に・・・・」
あーびっくりした。
「それ、時計になりますね。」
「それはどうかと思うぞ。」
「なんじゃの宝の山は!?
全部我が輩の物じゃな!?」
「一気に不安なパーティーになったな。
でもまあ、藍は頼れるし・・・・・。」
藍の方を見ると、つまらなそうな顔をして、サイダーを飲んでいた。
「真昼さん、僕。いえ、僕たちは、
どちら側に就くか、まだ決めてないので。」
「ん?なんか言ったか?」
藍が何か言ったが、騒がしい声にかき消されてしまい、聞こえなかった。
「いいえ、なんでもないです。」
そう言って藍は笑った。
その顔は少し、悲しそうでもあった。
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